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それから数日後、朝から自殺やバラバラ殺人事件、幼児虐待、そういう悲惨が鈴なりに 報じられていた。 天気予報の後、冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し一服した後、寝癖を直したり バタバタと身支度をしながら、テレビはラジオ感覚で聞いている。 けれどニュースもここまでくると気持ちが鉛色になってしまう。 社会は凄く不自然な リズムで歩いているようだ。 僕はテレビを消して財布をポケットに入れ、携帯をもった。 そして、もしやと思って 携帯の画面を見た。 「お! 」 心の色が急に明るくなった。 あの人からメールが入っていた。 相変わらずショートメールだったけれど、間違い電話 の後、僕等が小指一本繋がったのは偶然同じメーカーの機種だった幸運に違いなかったし。 僕は素早く携帯を開いた。 「おはよう。 此間のようにチャリに乗りながらの返信はいらないから。 また田んぼに落ちるわよ! 仕事頑張って」 こんな色気のない普通のメールだったけれど、今日はきっといい仕事ができる。 スタミナドリンクを飲むより数倍効く。 たぶん不器用な僕と人懐っこいあの人との歯車に軋みがないのは、竹の節のような 心地よい未満であって、甘い節度でもあって・・・・・。 発着信で偶然得た電話番号以外のオマケを、あの人は未だにくれない。 photo by kitakitune07さん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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