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【ねえ、お母さんもそうだった? 私達には春休み、秋休みがあってね。 田植えや稲刈りを手伝うの。 小学生だから大して役に立たないけれど、耕運機の後ろに乗って田んぼに行った。 時々、冴おばあちゃんに頼まれて、お昼時、田んぼにお茶やおむすびを届けたこともあった。 広い田んぼのあちらこちらで、そよ風に吹かれながらお昼を食べる村の人。 お手伝いする友達も、学校で会う時よりずっと大人に見えたな。 でもね、経済成長の真っ只中、産業の発展と共に都会へ出る人が多く、農業離れも深刻な問題になっていたの・・・】 多希子は良子の裁縫箱から裁ちばさみをこっそり出し、鏡台の布をそっと捲った。 その布は赤地に色とりどりの花模様が流れ星のように描かれており、白粉(おしろい)や口紅、桃色の脂っこい手荒れ用クリームの香りが沁みこんでいた。 前髪を自分で切ったばかりに、間抜けにも聡明にも見える都合のいいおでこ。 鏡の前で残った前髪をひっぱり、口を尖らせたり、不気味な笑いを浮かべていた多希子もようやく立ち直り、補助輪が取れた自転車を漕いで、友達の家を廻っていた。 「京子ちゃ・・・はい、探険のお知らせ」 京子が受け取ったわら半紙の裏は、点数が低いテストだった。 そこには地図や持ち物、集合場所が書いてあり、たくさんの「ごっこ」に飽きていた京子達は多希子が配る新聞に胸が躍った。 学校を真ん中に、四方に散っている集落へ、おむすびや菓子持参で交流を深めに行く探検ごっこ。 趣旨は概ねこうだった。 夏休みの終わり、欄干に集った姫達は山道を歩きはじめた。 「今日は小田切へ行くでね」 「広隆君の家があるで小田切なんずら?」 仁美が、麦藁帽子でおでこを隠した多希子の肩に手を置いてにっこり笑った。 「近い所から行くんな! 決まっとるじゃんけ・・・それより、みんな宿題終わった?」 「タッコちゃは?」 「私は絵日記と、月の観察も全部書いたに」 「ええ? 明日の分も明後日の分も? まだどんな月が出るかわからんじゃん・・・何があるかしれんし」 「いいんな。 絵日記に通り暮らせばいいら? 月には月の事情があるで観察せんでもいいに」 ![]() ~^~~^~^^~~~^^^^~~^^^^^~^^^^~~~~~^^^^^^~~^^^^ ご心配をおかけしております。 アドバイスを頂いたとおり、おかゆを食べています。 ![]() 「沈黙は多くを語っている。 ![]() 「お袋の無口は家庭を暗くする。 ![]() 「静寂は我家に合わない。 ![]() 「よって、転換の一歩は自分が出すしかない~ ![]() ~ 私が25年前に生んだ覚えがある男児と、関東流「連れ」の、出勤前の言葉 ![]() ![]() 薄紙を剥ぐように・・・まずは気持から元気になります。 ありがとうございます。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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