Persian & Basque

2005/10/29(土)05:13

マジッド・フィッシャーの野望。

イラン代表(472)

悠然と王座に腰掛け、柔和な表情とは裏腹にその瞳の奥に不気味な光を称えるイラン人、マジッド・フィッシャーはさらなる投資をオーストリア、ブンデスリーガのノルディア・アドミラ・ヴァッカーに注ぐ事を発表した。UAEに拠点を置く32グループの総裁であり、アドミラとともにスロヴァキア2部リーグのドゥンジャカ・ストラーダのオーナーでもある彼のサッカーへの情熱は絶えることが無いようだ。イランの英雄的監督であるヘシメット・モハジェラニを招聘、カシャヤール・モフセニを自らの右腕に指名し、多くのイラン人選手をチームに招き入れる彼の真の野望は、欧州でのプレーの場をイラン人に提供する事だけが目的ではないように感じられる。先日モハジェラニがイラン代表チームのスタッフに加わるとのニュースが流れたように、自らの存在感をイランサッカー界に示すことも視野に入れているのではないだろうか。現在IFFの会長であるダドカンは代表選手上がり(現役時代はハードなDF)だが、彼のマネージメント能力が問われる今、いや前任のサファニー・ファラハニーの頃からの問題にはされていたがマジッド・フィッシャーが豊富な資金力のみならず、そのマネージメントの手腕が評価されるようなら、その可能性は高くなるに違いない。 ただ残念ながら彼のチームは極めて不調だ。下位同士の争いとなったマッタースブルグ戦では、モフセン・ファラジが開始1分で相手の激しいタックルで交代を余儀なくされ、彼の同僚であるメフディ・パシャザデは後半不可解な判定により2枚目の警告を告げられる。スタメンに名を連ねた2人のイラン人を失ったチームは相性の悪いストライカー、ワグナーに2ゴールを許し敗れ去っている。さらに水曜日の試合においても、スーパーファンドに成すすべなくホームでの敗退を喫し、もはや前半折り返し時点で最下位、一つ上のチームとの勝ち点差も10も開くとゆう危機的状況にある。今シーズンはマジッド・フィッシャーがそのマネージメント能力をビジネス界ではなくサッカー界で生かせるか試されるシーズンとなりそうだ。 一方、ドイツのイラン人達はそれぞれ厳しい状況に置かれている。まずカップ戦で極度の低パフォーマンスに終始したキャリミだが、マガトがバラックの後釜になる可能性があるとイランのメディアに答えた後だっただけになんともタイミングが悪かった。しかし週末のブンデスリーガでバラックがスタメンを外れる可能性があるだけに名誉挽回のチャンスが回ってくるかも知れない。カイザースのザンディは愚かな監督のトップ下を置かない戦術の犠牲となりベンチが定位置になっているし、ハシェミアンに至っては年端の行かぬ若造にスタメン争いに敗れている状況だ。ただ、マハダヴィキアの復調と2部のボーフムでスタメンの機会が増えてきたナヴィドキアの活躍など明るい話題も無くは無い。このイラン代表選手の置かれている状況は2006年W杯を迎えるドイツで一足はやく試練に挑んでいると捉えればそれほど悲観すべきではないだろう。ただ悪い流れを変えるためにも11月のLG杯は国民を納得させ、自らの最高のパフォーマンスを取り戻すような大会にしなくてはならないだろう。そしてブランコは自らの解任説を一蹴するためにも、ピルーズィのアリ・アリザデーやゾベアハンの強固な守備陣のような旬の選手達を試すべきだ。この大会で同じスタメンを並べ、新たな試みが出来ないのであれば、彼はクロアチアの自宅でW杯を見ることになるだろう。

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