Persian & Basque

2006/03/22(水)12:03

ドイツの先と解決されぬ弱点。

イラン代表(472)

レネ・シモンエス率いるイランU-23代表の最終メンバーが発表されました。彼らはチュニジアのオリンピックチームと親善試合を行います。チームは既にチュニジア入りしており21、23、27日に3試合をこなした後、帰国しヴェトナムでの大会に備えるようです。 メンバーはこちら。 Hassan Roudbarian Mohsen Molaee Mohsen Arzani Jalal Hosseini Hanif Omran Zadeh Sheis Rezai Mohsen Mirabi Jalal Akbari Saeed Chajoee Maziar Zareh Andranik Teymourian Mehrdad Pouladi Masud Shojaee Mojtaba Jabbari Behshad Yavarzadeh Milad Mirtorabi Mohammad Gholamin Arash Borhani !!! Ehsan Khorsandi Atabak Namazi Farhad Ale Khamis Shahram Goudarzi ネクーナムやオラーディはチーム事情で外れ、オーバーエイジとしてルードバリアンと24歳のジャラル・ホセイニが入っています。またサバ・バッテリーとフーラド・フーゼスタンはACLがある為選手を出していないようでモンタゼリあたりが入っていません。 予想される先発フォーメーションは ----------------Roudbarian Arzani-----S.Rezaii----Hosseini------Akbari -------Teymourian--------M.Zareh Shojaee----------Jabbari---------YavarZadeh -----------------Borhani(Gholamin) GKはベテランのルードバリアン、両サイドはイスラム大会と同じくアルザニとアクバリ、中央はモンタゼリの穴をピルーズィで定位置を確保したシェイス・レザイーが不動のホセイニと組み埋めるだろう。DFながら最近の試合では素晴らしいゴールを披露してシモンエスの目に留まったようだ。 ボランチはA代表でも活躍したテイモリアンとマジャール・ザレの2枚もしくはテイモリアン一枚で前線にゴラーミンが入るチョイスもありえる。ジャッバリ、ショジャイー、ヤヴァルザデ、ボルハニもこの世代では不動だ。 この世代は一部を除きW杯後のイランA代表を担う世代と見られている。彼らは日本を破ったアジア大会の世代ほどの才能は見られないが、ジャッバリ、ボルハニ、ショジャイー、テイモリアンらがドイツを経験する事でオリンピックに生かすことが可能だといえそうだ。また本大会となればカービィやマダンチらのA代表クラスもチームに加わるだろう。W杯出場が再び途絶えないためにも彼らの押し上げは不可欠である。 一方、ブランコはイラン代表のアキレス腱である左サイドの問題は解決したとメディアに答えたようだ。台湾戦、コスタリカ戦で先発したサッタール・ザレが彼の言う答えだという事か。確かにザレ自身、所属するバルゲ・シーラズでのプレー振りを見てもブランコの期待に応えようと積極的な突破を見せ左足でのクロス精度を上げようとしている様子がみられる。たとえばこのシーンがそうだ。しかし、この程度のクロスは世界の舞台で披露するにはあまりにもお粗末だ。実際コスタリカ戦では彼のクロスは何の予感も導く事ができなかった。 ではブランコはこの弱点を克服するためにいったいどれだけの試みをしただろうか。この問題が最初に生じたのは2002年のウクライナ代表戦を最後にミナヴァンドが代表を外れ、ブランコが4バックを採用した頃にまでさかのぼる。その後U-23代表で成長したノスラティを左サイドに起用し、西アジア選手権ではアリ・バダヴィを4バックの左に据えている。この大会のバダヴィはMVPともいえる活躍を見せたが、2004年のアジア杯でレザイーとの仲間割れを演じてからは代表を外れ、再びノスラティが左サイドに戻ったのだが、ミスを連発した事で国民やメディアからバッシングを受け堅実な守備ができるザレにスタメンを奪われている。ここまででブランコが試したのはたったの3人だ。この4年間いったい彼は何を改善したのだろうか。激しく疑問だ。いやレフティーで純粋なサイドバックであるジャヴァド・シールザドやエイディザデといった選手も招集はされている。しかし彼は親善試合においても彼らに出場の機会を与えていない。さらにバダヴィのように前線の左サイドには有能なレフティーが居るが彼らにサイドバックとしての守備を叩き込む事も放棄しているのではないか。例えばバヘディやヤヴァルザデ、マダンチ、マナイー等がそうだ。もしくはアミラバディやソレイマニのように右利きながら突破力のある選手やカービィらのコンバートなど取るべき、試すべき手段はいくらでもあるだろう。我々ファンもそういった試みが失敗する事に非難はしないが、臆病なクロアチア人は毎回同じ顔ぶれをピッチに並べている事はなんとも腹立たしい。その上、今回の発言である。はっきり言って守備面で評価されるザレであるが、C・ロナウドのドリブルを止めるのは無理だ。いや止めるとしたら彼には常に赤紙の恐怖がつきまとうだろう。はっきり言ってこの問題を解決するには遅すぎた気がする。4年もの間この問題に答えを出せなかった彼が本大会までの残り数ヶ月で答えを出せるはずが無い。 彼の師であるブラゼビッチはカリム・バゲリをボランチからスイーパーに起用しイランの破滅を招いた。確かにバゲリの正確なフィードや強烈なスライディングはDFとしての素質を備えてはいたが、それが生きるのはあくまでボランチとして守備や攻撃に+アルファを加える状況においてだった。つまり彼はあくまでもボランチとしてピッチの中央に立たせるべきだったのだ。勿論ネクーナムの成長も背景にはあるが、急性に彼をスイーパーに据えた守備陣はバーレーンに3失点を喫し、それに失望したバゲリは早々に代表からの引退を決めたのだ。その悪夢を振り払うかのごとく現在のピルーズィでは素晴らしいスイーパーぶりを発揮しているバゲリには代表復帰待望論が出ているほどだ。 もはや98年大会のモハマド・ハニのような存在を期待するには手遅れだと言わざるを得ない。イランの左サイドは亀裂を修正できぬままドイツを迎える事となりそうだ。

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