ペルシャ絨毯の本


本    12月21日(土)

無理してしまいました。

「ペルシャ絨毯 古典美の世界」河出書房新社刊 48,000円。
買ったのです。

この本、テヘランにある「イラン国立絨毯博物館」所蔵の歴史的な絨毯を日本人写真家・山崎秀司さんが撮った力作です。

「この本を見た人は、ペルシャ絨毯がアートなんだと捕らえられるようになる。外国人として世界で始めて撮影を許可された」という山崎さん直々の紹介で、買うことにしました。

この博物館、私は過去5回位見に行ってます。
そして、この博物館所蔵の絨毯の絵葉書は、2回買いました。
にもかかわらず、今回、こんなに高い本まで買ってしまいました。ほんと物好きです。我ながら。

載ってましたよ。カシャン産の19世紀後期に作られた絨毯。
登場人物は5人です。王様が冠をかぶり、馬にまたがっております。手には弓矢。「パエリダエザ」で狩をしているのですね。

ここで豆知識。
「パエリダエザ」とはその昔、王侯貴族が狩を楽しむために、泉を作り、草花を生い茂らせ、動物を放し飼いにするという、夢の楽園を作ったと言われています。その楽園=パラダイスの語源となっているのが「パエリダエザ」らしいのです。

王の傍には妃が、これまた冠をかぶり、手には鷹をとまらせています。第二夫人も馬にまたがっています。冠をかぶった若い男は王子なのでしょう。スカーフをまとった二人の女性は従女でしょうか。

王の馬の足元には、狩猟犬が三頭、鹿や兎を追いかけています。草花は、色とりどりに咲き乱れ、木々には小鳥が飛び交っています。泉はコンコンと湧き出し、アヒルが群れ遊んでいるのです。

王朝文化華やかかりし頃の情景を生き生きと描き出した傑作です。

ところでなんです。例によってこの5人、あれなんですヨ。
繋がっているのです。眉毛が。
流石に、二人の妃はこころもち薄いとは言え、王子はもとより、二人の従女までもが、クッキリとなんです。ハイ。

私の友人のイラン人、事あるごとに口にします。
「This is the Iran.」




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