堂々と彼らを好きだと言える
Pulp、24年ぶりの新譜です。ロキソニでの感動もまだありありと思い出せるPulpのニューアルバム「More.」がリリースされました。ラフトレと契約したよーなんて話を聞いて、本当に良かったねえと思ってはいましたが、まさか本当にアルバムが出ちゃうとは、正直、予想していませんでしたよ。先行シングルの「Spike Island」のいい感じのグルーヴにほくほくしていたところで、「Got To Have Love」のディスコチックなポップネスにしっかりと胸を撃ち抜かれました。この2曲だけでもうPulpのPulpらしさに感涙しています、私。個人的には「Grown Ups」の哀愁漂うメロディもお気に入りです。これ、This is Hardcore期にはもう原曲が出来上がっていたらしいですが、一生懸命大人になろうとして内心めちゃくちゃ懊悩する感じが、Jarvis。いいなこれ。「My Sex」もこれぞJarvisな詞でたまりません。「Farmers Market」や「Partial Eclipse」の流麗なストリングスとメロウな雰囲気に、なんだかもう涙が出てきそうになるんですが、個人的にめちゃくちゃ嬉しいのがラストナンバーの「A Sunset」!Richard Hawleyが関わってるっていうのをリリース前にちょろっと耳にしていたんですが、この曲らしいです。嬉しいですね、シェフィールドつながり。すごく穏やかで優しいナンバーで、クロージングにふさわしい。後半の流れは、うまく言えませんが、「オトナPulp」だと思います。セクシーで艶っぽいけど、どこか大人。そりゃあ大人になるでしょう、24年経ってるんだもの。若さとこじらせ全開の「Different Class」も良いですが、大人になったPulpのこの一枚、じんわりと胸を温めてくれる何かがあります。それにしても、ブリットポップが過ぎ去った直後にPulpにドはまりした私には、そのころ「Pulp大好き」と言うには少々躊躇われるような時代の雰囲気があったような気がします。それがどうですか、当時の勢いがそのまま戻ってきたような現在の潮流。最高じゃないですか!今なら堂々と叫べますよ、Pulpが好きだって!まさかSuede(9月予定)とPulpとManicsの新譜が同じ年に出て、Oasisが再結成して、Ocean Colour SceneとKula Shakerがジョイントツアーをして、Shed Sevenがバリバリにライヴやってて。Geneもライヴやるっていうし、Bluetonesもライヴしてるよ?こんな状況、想像できましたか?いや、できない…!