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2024.11.12
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カテゴリ:映画


東京国際映画祭のオープニング作品にもなった「十一人の賊軍」を観てきました。
個人的にこういう血沸き肉躍る、そして血も首も飛ぶチャンバラ、大好物です。今回はそれに加えて大砲とか爆弾とかも加わって、とにかく大興奮。たまらんです。

10人の賊たちは、妻を暴行した新発田藩士を殺害した政(山田孝之)の他、放火や一家心中、密航、檀家の娘を手籠めにしたとか、筋金入りの辻斬りとか、もう何が何だかのメンツです。根っからの悪党っぽい奴もいるし、そうでもない奴もいるんですが、これがだんだん憎めなくなってくる。それぞれに持つ背景が短い時間の中でうっすらと匂わされたりするので、やっぱり賊軍に肩入れしたくなります。

官軍との戦闘シーンは手に汗握る大迫力。音量もすさまじく、ちょっと驚くほどデカいので(笑)、観に行く方は心づもりを。そして、バタバタと人が斬られたり、爆発して肉片になったりします。でも私、こういう戦闘シーンこそ本気が感じられて大好きです。去年見た「首」もこれに近い感じ。

仕掛けて、やられて、また仕掛けて…の流れで、やっぱり、「これ賊軍イケるんじゃない!?」と思わされてしまうと、もう作り手の術中にはまってますよね。でも、やっぱり、賊軍は賊軍なんです。砦を守り切ったたら無罪放免にしてやるなんて約束、権謀術数を弄する世界に生きる武士が守ると思いますか?そんなわけない。だから、ラストは想像通りの「そして誰もいなくなった」の空しさが…。
賊軍に肩入れして観てしまうからこそ、新発田藩家老の溝口内匠(阿部サダヲ)の冷酷なやり方には腸が煮えくり返ります(苦笑)。ほら、まんまと乗せられてる。
ただ、考えてみれば、彼も「藩のため」という大義に生きているからこその行動なんですよね。政は政で、庶民なりの「妻のため」に生きている。賊軍の指揮を執ることになった鷲尾兵士郎(仲野太賀)も、彼なりに「藩のため」に行動している。だからこそ、最期があまりにも悲しい…。

ところで、賊軍は当初10人ですが。
なんで「十一人の賊軍」なのかって、それは兵士郎の最後のセリフで「うわあああ…」となりますよ。あの瞬間はぞわぞわと、鳥肌が立つような感覚がありました。
しかしそれにしても、仲野太賀さんの佇まいが「ザ・侍!」という風格で、素晴らしかったと思います。

でも、私がいちばん萌えたのは「爺っつあん」です。最初の戦闘シーンから、「こいつ、ただの爺さんじゃない」という雰囲気アリアリだったんですが、最後の戦いっぷりが惚れ惚れするほど勇ましく、カッコ良かった。そこで明かされるのが、元・長州藩槍術師範だったという過去!そりゃカッコいいって…!
爺っつあんを演じた本山力さんという方は、東映剣会に所属されているそうで。殺陣のプロですよね。ひとりだけ格が違う感じがしました。

ずっとハラハラドキドキしっぱなしの映画ですが、最後に残る苦さを噛み締めつつ、エンドロールを見終えたのでした。面白かった!

あ、玉木宏さんは目の保養でした。何をしても素敵。
あと、ナダルはすぐわかりましたよ。緊迫してるんだけど、なんだか笑っちゃいました。





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Last updated  2024.11.12 20:34:45
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