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テーマ:最近観た映画。(40386)
カテゴリ:映画
向こうで情報公開になってから、トレーラーとか見まくってすごく楽しみにしていた「バイクライダーズ(THE BIKERIDERS)」を観てきました。 主演はオースティン・バトラー。トム・ハーディやノーマン・リーダスも出てます。みんなそれぞれ色気ダダ漏れなので、ああもう、全員好き…。 ダニー・ライオンという写真家の「The Bikeriders」という写真集が着想元だそうで、実際に存在したバイク乗りの集団をベースにしたストーリーです。 バイク好きのグループからバイク集団「ヴァンダルズ」に発展した彼らを率いるのがトム・ハーディ演じるジョニー。その中で異彩を放つ、誰とも群れない、歩くナイフみたいな男がオースティン・バトラー演じるベニー(これが超カッコいい)です。ベニーと出会って5週間で結婚するのがジョディ・カマー演じるキャシー。プライマ・フェイシィの人じゃんと終わってから気づきました。 最初はカッコ良く、ちょっとだけアウトローな感じで、それでも仲間うちで楽しくやっていたヴァンダルズですが、どんどん組織が肥大化していくにつれ、ジョニーの手に負えなくなっていきます。狂信的な若者やベトナム帰りの荒くれ者が加わり、コントロールを失ったヴァンダルズがやがて暴力と犯罪に堕ちていく様子が描かれていくのは、まさに栄枯盛衰。ジョニーの姿にも重なります。 そんな中でやはりベニーは異質。キャシーが評するように、彼には感情がありません。大して笑わないし、大して怒りもしないし、表情はほんのちょっとしか動かない。なのに彼の秘めた狂気が背中を見ているだけでも伝わってくるのは、オースティン・バトラーの凄さでしょうか。 でも、彼が感情を動かしたのは、ジョニーがよそ者と少々穏やかならぬ雰囲気になった時(いきなりブチ切れて相手をぶん殴る)と、脚を切断するかもしれないと言われた時(バイクに乗れなくなるのは嫌だと泣く)と、ジョニーの死を聞いてシカゴに戻ってきた時(ひたすら無言で号泣)。 え、ジョニーが好きすぎるの?と思った私は元・腐女子です。ごめんなさい。 だって、キャシーもジョニーに向かって「ベニーは渡さない!」とか言っちゃうし…。 ジョニーもベニーを後継者に指名したとき「I need you」って言っちゃうし、キスしちゃうの!?の勢いで距離が近づいてるし…・ まあそれは置いておいて、ベニーとジョニーの関係性は、シンプルなようでけっこう複雑。 ちょいとイカれたベニーに居場所を作ってくれたのはジョニー。きっとベニーもそれに感謝してる。 でも、ベニーは誰にも頼られたくないし頼りたくないという少々困ったちゃん(カッコ良く言うなら孤高だけど)。だから、影響力の衰えを自覚したジョニーに「後継者になって欲しい」と頼られたとき、「俺の知ってるベニーはそんなんじゃない…」と失望してしまったのではないかと。そして行方をくらませる。本当に困った子です。 ジョニーはベニーの狂気と若さをちょっと羨ましくも思ってるんじゃないかな。そしてやっぱり特別扱いしたい存在。でなきゃ、ベニーがボコボコにされたクラブを襲撃して火をつけたりしませんって。そういう人じゃないと思って観ていたので、あのシーンはちょっと驚きました。 一方、キャシーはキャシーで、自分ならベニーを変えられると思っているし(そしてやっぱり平穏な生活をしたい)、そのためにはジョニーからら離れて欲しいと思っている。女ってそういうものなのよね、と独白するところは、思わずうなずきました。そうなんです。どんなにダメでも、自分なら変えられるかもしれないって思うんですよ、一度は。そんなものなんです、人を好きになるって。 また脱線しそうになってますな。 結局、ジョニーは若い新入りたち(一度加入を断わられたんだけど、どこか支部に潜り込んだらしい)の挑戦を受け、ナイフか拳かって言ったのにあっさりと拳銃でズドンとされ、命を落としてしまいます。 その知らせを聞いたベニーはシカゴに戻ってきますが、家の前で座り込んだきり、号泣。このシーンはちょっと胸に来ます。 ラストで語られるのは意外な展開。彼はキャシーとフロリダへ移住し、普通の修理工として働いています。キャシーは「私たちは幸せよ」と言って外にいるベニーを見やるのですが、そのベニーは、微笑を浮かべながらも、魂はどこかに行っているような目をしています。そして轟くバイクのエンジン音は、彼の頭の中で響いている音だったのでしょうか…。 しかしバイカーファッションがカッコいい。みんなそれぞれベストをカスタムしているところにこだわりが出てるし、バイクに乗った瞬間いい顔になるんですよね。そして、バイクの話になるとさっきまで殴り合いしてた人たちが楽し気に話し込むところもいいなあ。 そうそう、ノーマン・リーダスがファニーな役で出てます。いいですね。処刑人3はまだですか? とりとめのない感想ですが、私がいちばん印象に残ったのは、見終わって席を立った時に後ろを歩いていたお兄さんたちが、「ベニーってさ、カッコいいけど大泉洋に似てるよな!」「そうだよ、大泉洋だよ!」と興奮しながら話してたこと。笑 そうだよね、オースティン・バトラーってカッコいいけど100%美形とはなんか違うと思ってた私のもやもやに、お兄さんたちが見事な回答をくださいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.12.01 20:47:29
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