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テーマ:洋楽(3616)
カテゴリ:音楽
![]() Patrick Duff「Another Word for Rose」コメンタリーの続きです。 6本目。(アルバム収録「MARY」について) ぼくの両親が、ぼくを施設にいる祖母メアリーのところへ連れて行ったんだ。祖母はもうその時、話すことも、誰かを認識することもできないような世界にいたんだけれどね。 あえて言うなら、ぼくは彼女の目をただ見つめるっていう「特権」を得たんだ。あの青い瞳は、まるで星へと続く2本の高速道路みたいな感じがした。それは彼女が亡くなってからも、幾度も幾度もぼくの記憶の中によみがえってきた。それがある日、歌になるとは思いもしなかったよ。 (彼はライヴのMCで祖母のことに触れていて、あのときは彼がいちばんひどい状態のころで、祖母の瞳を見つめたときに、ドラッグもアルコールもやめなければと思ったそうです。ありがとうおばあちゃん。) 7本目。(アルバム収録「Butterfly」について) あれはある冬の日のことだった。冬は太陽の光が低くて、それが部屋に差し込んでくるのが昔から好きなんだ。 ぼくはウディ・テイラー(このアルバムで共作してる若いギタリスト)と一緒にジャムセッションをしていて、その時も部屋に光が差していた。そのとき、蝶が舞い込んできたんだ。その蝶――アカタテハが、ぼくらの前で円を描くように飛び始めた。 ぼくらはそのときコード進行を組み立てていたんだけれど、ふと「Butterfly」という単語がふっと口からあふれ出てきた。 この曲のことを思い返すと、人の心が簡単に変わってしまうことに、ぼくはぼくなりの悲しみを覚えているんだと思うよ。 8本目。(アルバム収録「ONCE」について) ぼくらは年を取るにつれて、ある程度は妥協をしていくものだと思う。でも、10代だった若いころのぼくは完全に自由な精神を持っていた。当時はそのことに全然気づいてもいなかったけれど、それは、自分で選んだことではなくて、与えられたものだったんだよね。 ぼくはまあ長く生きてきたし、妥協という果実を口にして、その苦さを味わわなければいけないところにきている。そして、もう「家」に帰るときが来たんだと気付いたんだ。つまり、与えられていた「無垢であったころ」に戻らなきゃってね。 ラッキーなことに、ぼくが妥協をしてきたかもしれないにもかかわらず、「無垢」さはぼくに残っていた。本当に幸運だと思うよ。これはそれについての歌。 9本目。(アルバム収録「DEAR JOSEPHINE」について) あの曲はね…人生におけるすべてにポジティヴでいれば、なぜだか必ずいい結果が生まれて、そうすることがとても重要だっていう考え方が、世間、特にオンライン上で広められていることについて、だ。 そして、あの曲は、そんな考え方に対する反抗なんだよ。人生はそんなものよりもっと複雑だし、常にポジティヴでいようとすることが解決策になるとは思わないんだよね。 10本目。(アルバム収録「WATER」について) ぼくはずっと海が好きで、川も、スイミングプールさえ大好きなくらいなんだ。つまりぼくは「水」が大好きなんだよ。何か神秘的なものを意味しているようでね。 そして、時に目から「水」(つまりは涙ってこと?)が溢れ出るという感覚なのだと思う。ただただ目から流れ出す。それは、ぼくがかつて立ち尽くしたあの浜辺に打ち寄せていたのと同じ「水」なんだ。まるでその神秘が、ぼく自身の目から流れ出ているかのようだ。ぼく自身の神秘が、ぼくに届けられているんだよ。 それって本当に美しいことだよね。たとえそれが悲しみによって流れ出てくるものだったとしても、それは本当の意味での悲しみじゃないような気がする。実際には、「解放」なんだ。 聞いてる途中で気づきましたが、全曲解説だったんだと(早く気づけ)。 彼の書く歌詞はどことなくおとぎ話のようで、不気味だったり不思議だったり、それでいて「これは本当のことかな?」と思わせるほどリアルだったりと、実に独特の世界観なのですが、このコメンタリーをちゃんと聞いてみて、いっそう「Another Word for Rose」が好きになりましたし、もっとよく聴かなきゃと思わされました。 そのうち記事にしようと思っているんですが、パトリックからあたたかいメッセージをもらったのです。 もう信じられない思いしかなくて、いまだに半信半疑ではあります。 こんなに大好きなアーティストとコンタクトを取ることができて、やっぱり私はここで今年の運を使い果たしたのだと思っています。笑 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2026.02.03 20:12:36
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