カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
クレジット・カードの使いすぎや、消費者金融からの多額の借り入れ等で、借金で首が回らなくなった人は、相変わらずあとを絶ちません。
そんな苦境に陥った人たちを救うのが、夜逃げ屋と呼ばれる人々です。 きょうの映画は、1992年作品「夜逃げ屋本舗」(光和インターナショナル)! 引越し屋ミッドナイト・エクスプレス社は、借金地獄から逃れたい人々を夜逃げさせ、 自己破産手続きをさせる、良心的(?)な人助けをモットーとしている。 ところが、彼らの前に、借金回収に命をかける凄腕の女取立て屋(大竹しのぶ)が出現! 「借りたら返すのが人の道!」と力説する彼女に、ミッドナイト・エクスプレスの社長は鋭く切り返す。「貸さない良心というのも、あるだろう?」 互いに火花を散らす夜逃げ屋と取立て屋‥‥! さあ、どちらに軍配があがるか‥‥?! 本当は弁護士資格を持たない者が、自己破産の手続きをしてはいけないのです。 が、この映画では、一介の引越し屋が、堂々と破産手続きをしている‥‥ 法的には明らかに誤りなのですが、そんなことも忘れさせてしまうほど、 夜逃げ屋と取り立て屋の激しい攻防が面白く、ストーリー展開もテンポよく、 消費・借金大国日本の病理も浮き彫りにしていて、社会派の側面をもった娯楽映画として楽しめます。 この映画が公開された当時は、バブル崩壊が叫ばれ、 バブルに踊り浮かれていた人々が、気がつけば山ほどの借金を抱え、 にっちもさっちも行かなくなっていた‥‥という時代。 そして、日本は未曾有の不景気に突入‥‥ また、カード1枚で買い物ができるシステムは便利だけれど、 気が大きくなって、ついつい使いすぎるという問題もありますね。 頭にくるのは、近頃ではかなりの田舎にも、消費者金融の無人契約機が設置されていること。 「ハイ借りなさい、借りなさい」と謳って、庶民から利息制限法を上回る金利をぶんどるやり方には、行政の厳しい措置が必要ではないかとも思われます。 借金の恐ろしさを教えてくれる映画でもありました。 世相を反映したこの映画は大衆の人気を呼び、パート3までシリーズ化されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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