カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
日本が世界に誇る特撮の帝王円谷英二氏が、
渾身の力をこめて創り上げ、その後のSF映画に多大な影響を与えた名作。それは‥‥ '63年の「海底軍艦」(東宝)です! 1万年以上前に太平洋上で繁栄を誇ったが、大地震で海底に没したといわれるムウ帝国。 ところがその残党は、卓越した科学の力で海底に巨大帝国を築き上げていて、 地球征服をたくらみ、人類に宣戦布告をした! そんなムウ帝国を相手に戦いを挑んだのが、旧日本海軍の残党が南海の島で造った、先端に巨大ドリルを装備する超高性能の潜水艦! しかし‥‥潜水艦の行く手には、恐ろしい巨大怪獣マンダが待ち構えていた‥‥! 果たして人類の危機は回避できるのか‥‥?! 原作は明治の作家・押川春浪のSF小説。 監督は「ゴジラ」シリーズ等でおなじみの本多猪四郎。 怪獣マンダ、南海の島の秘密基地などのセットも秀逸ですが、 最も素晴らしいのは、巨大潜水艦(海底軍艦)のデザイン! マンガチックだと笑う人もいますが、それだけにカルトな特撮ファンには大人気です。 それに舞台が日本から、南海の島、果ては海底帝国と、 全体的なスケールが、とにかく壮大! 配役も、高島忠夫、藤木悠といったおとぼけキャラもいれば、 往年の大俳優・上原謙、軍人役がぴったりの田崎潤 東宝特撮の常連さん佐原健二、平田昭彦、小泉博、藤田進も、 それぞれの持ち味を十二分に発揮していて、楽しめます。 特に田崎潤演じる軍人精神ガチガチの海軍大佐は、名演でしたね。 18年ぶりに、美しい娘に成長したわが子と再会し、父性が胸のうちからどっとあふれ出るも、 国を守るという使命感から、父性を無理に押し殺し、そっけない態度をとる様子‥‥ それでもあとで、娘に優しい言葉をかけようとしても、娘から背を向けられ、 「戦争のことばかり考えているお父様は嫌い!」となじられ、哀しみに顔を曇らせる様子‥‥ ムウ帝国皇帝を演じた小林哲子も、なかなか凛々しく、美しかったです。 特撮もさることながら、海底帝国の地球征服という設定がユニークでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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