カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
'79年の松田優作主演「蘇える金狼」‥‥
これは、まだ子どもだったモイラにとっては、かなりインパクトのある映画でした。 松田優作「蘇える金狼」映画ポスター 朝倉(松田優作)は、昼間は石油会社の経理課に勤めるちょっと冴えない感じの 地味なサラリーマン。 しかし本当の顔は、企業乗っ取りをたくらみ、そのためなら現金強奪も殺しも厭わぬ、超ハードボイルドな男。 彼は手始めに、現金輸送車を拳銃で襲い、1億円ほどを手に入れ、それを麻薬に変える。 そして上司の娘・京子(風吹ジュン)を誘惑、セックスと麻薬でメロメロにし、 彼女から会社の内情を聞きだし、ゆすりにかかるのだが‥‥ 監督は東映の「遊戯シリーズ」三部作と同じ、村川透。 優作が映画の中で殺した人間の数は、「遊戯シリーズ」のほうが多いけど、 こちらの優作はひたすら虚無的というか、「鬼畜」の匂いがぷんぷんしました。 銃声また銃声、飛び散る血しぶき、断末魔の声‥‥ 出だしからラストまでこの連続なのですが、それでも嫌悪感を感じさせないのは ストーリー展開の面白さと、ハードボイルドならではのスピード感、 そして何より、松田優作という俳優が醸し出す独特の雰囲気と、卓越した演技力、 彼をとりまく脇役たちの顔ぶれでしょう。 何せ佐藤慶、小池朝雄、成田三樹夫、草薙幸二郎、安部徹といったヴェテラン勢、 千葉真一、岸田森、今井健二(信じられないけど、前身は東映の事務員)、阿藤海、江角英明といった個性派‥‥ おいしいキャスティングとはこのことです。 悲劇のヒロイン風吹ジュンも、当時掃いて捨てるほどいた、すぐに消えるであろうアイドルの一人だと思ってたのが、 この映画で女優としての実力を認められましたね。 印象的だったのが、人気のない早朝の新宿副都心を、大仕事を終えた優作が運転する真紅のランボルギーニ・カウンタックが音もなく疾走するシーン。 この映画の公開より2年ほど前、日本は空前のスーパーカーブームで、 特にガルウイングのランボルギーニは、超人気でした。 のちにあの劇中のランボルギーニは、織田無道からの借り物だと知りました。 劇中の優作のセリフ、「ジュピターには何時に着くんだ‥‥?」 これは、「太陽にほえろ!」のジーパン殉職の時の「なんじゃこりゃあ?!」にも匹敵する名セリフだと、モイラは思っているのですが‥‥ メディコムトイRAH リアルアクションヒーローズ「蘇える金狼」 朝倉哲也 aka 松田優作 前野曜子/蘇える金狼 オリジナル・サウンドトラック(CD) 蘇える金狼(DVD) ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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