カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
お久しぶりです。映画狂のモイラでございます。
最近仕事やなんやでバタバタして(何せ収穫の時期ですので。あ、このモイラは農業者でございます) すっかりブログ更新を怠っていましたが、 やーっと少しずつ再開できそうです。 なんだか知らないけど災難に遭い続き‥‥みたいなことってありませんか? そんな方々に捧げたいのが、この1988年の森田芳光監督総指揮のオムニバス映画。 その名も‥‥「バカヤロー! 私、怒ってます」。 「食べてどこがいけないの?」「遠くてフラれるなんて」「運転する身になれ!」「英語がなんだ!」という 話の内容がちょっとばかし想像できるようなタイトルの4話構成で、 監督は女優で劇作家の渡辺えり子、 「下妻物語」の中島哲也、「夜逃げ屋本舗」の原隆仁、 そして、「ケイゾク/映画」の堤幸彦。 普段気弱で言いたいことも言えない性格の人たちが、 様々な状況で周囲の人間たちに抑圧され、 ついに爆発して、「バカヤロー!!」と叫ぶに至るまでの物語。 ま、他愛ないといえば他愛ない内容なのですが、 3話と4話は結構笑えました。 特に印象に残ってるのは、第3話で大地康雄演じる気弱なタクシー運転手に、 嫌味とも激励ともつかぬ言葉を投げつける、同業の乗客役のイッセー尾形。 「行き先は?」と聞かれて、「綾瀬だよ綾瀬」と妙にいらついた顔で言い、 大地氏が発進しようとすると、 「おい、ちょっと待った。綾瀬って地名、足立区と神奈川県と二つあるの知ってるか?」 戸惑う大地氏が尾形氏をどうにか目的地まで乗せると、尾形氏のこんな捨て台詞。 「(タクシー運転手なんて)いいことなんかありゃしねえよ。期待すんじゃねーぞ」 このあと大地氏は、車内でゲロ吐くヨッパライ、コワモテのチンピラ、いちゃいちゃカップルなど、 様々なお客を乗せ、そのたびにストレスを鬱積させるのですが‥‥ この第3話を、本物のタクシードライバーの方たちに(全員大地氏と同年代のおじさん)ビデオで見せ、 彼らの反応を見るというテレビ番組が、かなり前に放送されてました。 ドライバーの皆さん、かなり身につまされたのか、大地氏が災難に遭うたびに、噴き出したり、苦笑したりしていましたね。 モイラも一度、知り合いの運転手さんから、「運転中、酔った客に後ろから首をしめられたことがある」という 恐ろしい話を聞いたことがあります。 タクシードライバーの方々、どうぞお気をつけて! 4話の「英語がなんだ!」も、結構笑えました。 英語がからっきしの社員(小林薫)が、シカゴ赴任を命じられるというシチュエーションに、ちょっとムリがあるけど、 パーティ会場で会う、非常にクセのある外国人ビジネスマンが、なかなかいい味を出していました。 それにしても日本人って、欧米コンプレックスというか、英語コンプレックスがひどいですね。 今はやりのJ-POPも、英語のタイトル、歌詞だらけ(それもかなり意味不明な)。 邦画のタイトル、サブタイトルも英語が氾濫。 町には英会話学校が乱立。そのくせ英語を使いこなせる人はごくわずか(このモイラもほとんどダメです)。 今、小学校の総合学習で英語の授業がとりあげられてるそうですが、 その授業を受けている子どもたちが、将来英語を使いこなせる大人になれるかどうかは 正直疑問です。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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