カテゴリ:名作と言われているけど嫌いな映画
だめんずという言葉が、数年前から巷に定着しましたが、
この名作と言われている映画に登場するヒロインも、ある種のだめんずかもしれません。 その映画とは、もうすぐ100歳におなりだけど、いまだ健在の新藤兼人監督第1作 「愛妻物語」(1951年 古いなあ‥‥) 愛妻物語 / 乙羽信子 シナリオライターとして名をなした男(宇野重吉)の回想で始まる 新藤監督自身がモデルのドラマなのですが‥‥ 映画の主人公の男は、下宿先の家の一人娘(乙羽信子)と恋に落ち、 駆け落ち同然に夫婦になり、軍靴の声が高まりつつある 浮ついたヤクザな映画界にとってはまことにありがたくない時代に、 無防備にもシナリオライター・デビューをはかろうとします。 で、ある日、大監督(溝口サンがモデル)に声をかけられ、 自分では精一杯の力作を書いて提出したつもりが、 「全然芝居が書けていないよ。こんなことじゃダメだね」と、冷たく一蹴。 男は思いっきりヘコむのですが、献身的な妻の励ましで、 定職にもつかず、ただ毎日、世界の名作戯曲を読んでドラマツルギーの勉強をし、 その息抜きに近所の子どもたちと魚釣り。 一方、妻は映画会社の偉いサンに、 「お給料なんかいりません。でも主人をクビにしないで下さい。チャンスを下さい」と 米つきバッタみたいに頭を下げ、 手内職を始め、連日のように質屋通い。 まるでヒモですよ! いや、まるでじゃない、ヒモそのものだ!! モイラがこの世で最も忌み嫌っている人種だ! おまけにこの主人公、妻が手内職をしているのを知ると、 「俺に恥をかかせた」みたいな口調で妻を怒るんだから、 もう、あいた口がふさがらないというか‥‥ それでしおらしく謝る女も女だよね。 「いったい誰様のおかげで、のうのうと働きもせずに食って行けるんだ!」 くらいのこと言っても、罰当たらないのに。 宇野重吉さん、自分に才能があると勘違いし、 その勘違いを大監督に指摘されて奮起する(但し妻は踏みつけたまま)男を熱演してました。 隣家の友禅下絵描き役の無愛想だけど心優しいおじさん役の殿山泰司氏(新藤映画の常連さん)も、名演技でした。 しかし‥‥モイラは妻に経済的な苦労をさせる男は、 真人間とは思っていません。 働かない男など言語道断です! あ、ついでに言うと、モイラ、働かない女も大嫌いです。 そして最後に、「将来、映画界に進みたい」と思っている若い人達へのメッセージ。 やめなさい。 あの世界は、輝くばかりの才能90%+骨身を削るような努力5%、運5%がなければ、 とうてい生活なんかできませんから。 映画界で奇跡的に生き残れたモイラの亡き父も、時折こぼしていました。 「こんなしんどい仕事、いつまでもやってられない」 そしてモイラに、映画界入りを目指す男、もしくは映画界の男との結婚を、断固禁じました。 親孝行も何もしてやれなかったダメ娘ですが、「映画関係者と結婚するな」という父の掟だけは、守っています。 野上弥生子の「海神丸」を”鬼才”新藤兼人が脚色・監督した、極限状態における人間の本質を冷静に見つめた問題作!【中古DVD】◆人間◆ 永井荷風の同名小説の主人公を荷風自身に置き換えて、“鬼才”新藤兼人監督が映像化した文芸大作!DVD廃盤。【中古VHS】■墨東綺譚(ぼくとうきだん)■ 送料無料!!【DVD】狼 監督:新藤兼人(’55)/乙羽信子 オトワ ノブコ 乙羽信子/どぶ 監督:新藤兼人(’54) 宇野重吉/第五福竜丸 監督:新藤兼人(’59) 税込\2000以上のご購入で全国送料無料!!※代引き手数料を除く縮図 監督:新藤兼人(’53)■乙羽信子 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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