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May 10, 2021
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カテゴリ:日本映画人列伝
こんばんは、映画狂のモイラでございます♪

今宵は久々に、「日本映画人列伝」と称して、
百余年にわたる日本映画史上、際立った活躍をした映画人を紹介する駄文を繰り広げますね。

……で、今回とり上げるのは、
エロ・グロ路線で、日本映画の品位を著しく落とした金儲け主義の興行師だ!」
「いや、娯楽性をとことん追求した、日本映画界が誇る偉大なプロデューサーだ!」
と、その人物像が賛否両論分かれている新東宝の元社長・大蔵貢(おおくら みつぎ)です。

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大蔵貢は1899年(明治32年)、長野の片田舎の極貧の家に生まれ、
尋常小学校を4年で中退、わずか13歳にして(!)活動写真(映画の昔の呼び名)の弁士となりました。
大蔵は実に弁舌さわやかで、おまけにチャップリン映画の解説の時には、
シルクハットにボロ燕尾服、ドタ靴の扮装で講壇に立って、観客をあっと言わせ、
弁士として大人気を集めていました。
やがて時代が昭和となり、映画がトーキー時代を迎えるのを見越した大蔵は、
弁士時代から貯め込んでいたお金で、三流の映画館を次々と買い取り、その経営に乗り出すのです。

極貧の幼少期を過ごした大蔵が、弁士時代に大金を貯めるために行ったことは、
一つ、金を稼いだら、極力使わないこと
二つ、女買いをしないこと
三つ、煙草を吸わないこと
四つ、骨身を砕いて働き、一分の暇でも読書し、勉強すること
五つ、生活に必要以外の金はすべて貯めること
六つ、金を貯めたら下ろさないこと
七つ、芸の向上に魂を打ち込むこと
……以上です。いやはや、すごい意志の持ち主ですね!

大蔵は自分が経営する三流映画館の支配人たちを、毎朝自分の家に呼び寄せ、
前日の売上の報告をさせたのですが、
その際、大蔵の妻がソロバン片手に、館内で売られたピーナッツ袋一つの売上にまで
細かくチェックを入れたというのだから、これまたすごい……!
当初は高尚なハリウッド作品ばかりを、買った小屋で上映させていたのですが、
それがことごとく不入りだったのを猛省し、
今度は庶民が飛びつくような大衆娯楽邦画を上映させたところ、大成功をおさめ、
大蔵の懐にはお金がホイホイ入ってくるようになりました。

その後も大蔵は映画館を次々と買い、大手映画会社すべての株主となり、
やがて1955年(昭和30年)12月、新東宝の社長に迎え入れられます。
そして、他社から著名な監督やスターを招いて製作していた、これまでの新東宝の文芸大作路線を排除し、
中堅、若手の内部スタッフ、俳優を使った企画第一主義を打ち立てました。
中でも、低予算の猟奇怪談お色気といった、いわゆる「エロ・グロ路線」が大当たりし、
大蔵は社長就任からわずか半年で、赤字続きだった新東宝を黒字続きにしたのです!
また、当時はタブーの最たるものだった天皇を主役とする映画の製作にも乗り出し、
アラカン(嵐寛寿郎)に明治天皇を演じさせた、いわゆる「明治天皇シリーズ」も、大当たりしました。

「一部の階級のみに迎合するがごとき芸術作品は敬遠し、
 一にも二にも、多くの大衆に基盤を置く作品を制作の根本姿勢としたい。
 これを以て新東宝カラーとしたいと考えております」
と、大蔵は語り、映画スターの人気にあやかるスターシステムを否定し、
名企画なくして興行の成功はありえない。映画は企画だ!」と、声高に叫んだのです。
(モイラも全く同感です。映画でも演劇でも、まずは企画の面白さですよね。)

そして大蔵貢は新東宝のワンマン経営者となり、集客の要となる「エロ・グロ路線」をとことん追求し、
映画の題名も食いつきがいいのに決め、
「憲兵とバラバラ死美人」「憲兵と幽霊」「花嫁吸血鬼」「九十九本目の生娘」「地獄」
「怪談バラバラ幽霊」「女死刑囚の脱獄」「東海道四谷怪談」といった傑作を次々と世に出しました。

大蔵は新東宝所属の女優とのスキャンダルも数多く、
中でも、高倉みゆきとの関係については、世間の非難を浴びましたが、
「女優を妾にしたのではない。妾を女優にしたのだ」と発言し、
そのワンマンぶりを誇示したのです。

しかし、大蔵のあまりのワンマンぶりが徐々に裏目に出て、1960年代に入ると、
新東宝は次第に赤字続きになり、
そして1961年6月に倒産してしまうのです。

その後1962年に、大蔵は大蔵映画株式会社を設立しますが、
怪奇映画数本を作ったあとは、ピンク映画専門の製作会社になってしまいます。

そして大蔵貢は、1978年(昭和53年)9月15日、急性肺炎のため、死にました。享年78。
映画をとことん愛してやまぬ一生でした。
また、気骨のある優れた映画人でもありました。

モイラは、日本映画史における大蔵貢の扱いが、あまりにも低いと思っております。
もっと評価されてしかるべき人なのに……

それでは、大衆の人気をかっさらった大蔵新東宝映画をご紹介して、終わりに替えたいと思います。

★大蔵新東宝映画の傑作!★



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