カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます♪
今宵は、「山谷ブルース」「友よ」などのヒット曲で知られ、 「フォークの神様」と呼ばれた岡林信康の初主演映画 「きつね」をご紹介します! 初夏の北海道根釧原野…… この最果ての地に派遣されている中年の科学者・緒方(岡林信康)は、 森の中で14歳の少女・万耶(高橋香織)と出会った。 父親がなく、体の弱い万耶は、この地に独り保養に来ているのだった。 緒方はたちまち人懐っこい万耶に好意を示し、 万耶も歳の離れた緒方を慕うようになるが、 緒方には人妻の恋人・友紀(三田佳子)がいた。 それを知った万耶の心は千々に乱れ…… シナリオライター・故井手雅人氏(モイラの映画人だった亡父の大先輩)が、 恋も知らぬうちに夭折したお嬢さんへの想いをこめて書いたオリジナルシナリオを、 仲倉重郎監督が撮り、野村芳太郎監督らが製作した映画です。 ローティーンの少女は、年上の男性に憧れの想いを抱きがちですが、 この映画に登場する万耶は、憧れなんてもんじゃない、 わずか14歳にして、アラフォー男の緒方に本気で恋をしてしまうのです。 でも万耶は幼いから、自分の想いのたけを上手に緒方に伝えることができず、 泣いたり、ふくれたり、すねたり、つっぱねたりするのです。 その気持ち、モイラにはとってもよくわかりました。 モイラも14歳くらいの時は、遥か年上の大人の男性に憧れたものですから…… (但しモイラは十代の頃から今になっても、年上の男性受けは全くしません。) 万耶役の高橋香織(子役あがりの高橋かおりとは別人)は、オーディションで選ばれた子ですが、 後藤久美子のような目鼻立ちのはっきりした美少女というわけではなく、 どこか垢抜けず、美少女とは言えないごく普通の顔立ちの子です。 でも白いワンピースがよく似合う、可愛らしい子ですね。 それにしても、緒方役はどうして、髭面にいつも薄汚いGパン姿の岡林信康だったんでしょう……? 「フォークの神様」と呼ばれるのを嫌い、一時期田舎に引っ込んで農業をやっていた岡林氏の気骨に、 製作側の野村芳太郎監督らが惚れ込んだからでしょうか? その点がモイラにはわかりません。 それに岡林氏は、プロの役者じゃないから当たり前なんだけど、 台詞も演技も本当に下手でしたよ。 他に適役はいなかったんでしょうかねえ…… この映画の一番のクライマックスは、 わずか14歳の万耶が、アラフォーのおっさん緒方に体を許すシーンです。 オホーツクを流れる流氷をバックに、少女と中年男のセックスシーンが現れるのですが、 これが結構象徴的で美しいんですよね。エロさが全然なくて…… 一歩間違えたら、とんでもなく下品な大ロリコン映画になってしまうのを、 よく回避できたものです。 そこは撮影の坂本典隆氏と、音楽の千野秀一氏の技でしょうか? 坂本氏のカメラワークは、道東の原野の四季の移り変わりを、それは美しく表現し、 千野氏の音楽も美しかったです。 脇役も原田大二郎、野村昭子、山谷初男、阿藤海と、それぞれ個性派揃いでしたね。 東宝特撮の傑作「海底軍艦」のムー帝国皇帝役だった小林哲子が、 すすきのあたりのクラブのママさん風の万耶の母親役を演じているのも、見ものです。 この映画、賛否両論(特に少女と中年男のセックスシーンについて)あったけど、モイラは好きですね。 ではまた、明日。おやすみなさいませ。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 22, 2023 09:52:44 AM
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