名作落語大全集

2016/08/28(日)14:30

ベートーヴェン:「第7番の分析:第2楽章」

   ベートーヴェン:「第7番の分析:第2楽章」  第1楽章はとにかくリズムが心地よく、展開部が複雑で、結尾部では展開部の再来かと思えるような発展が始まる。いかにもベートーヴェンらしい部分である。そして、第2楽章もお得意の変奏曲である。 第2楽章 Allegretto 4分の2拍子 イ短調 1:主題。木管の和音に導入され、ヴァイオリン以外の弦でメロディが始まる。チェロが2部に分かれて、片方がコントラバスと一緒というのも目新しい。最初の12音が同じ音、つまり第1楽章の「音型d」を思わせる。半音ずつ2回上がると6個同じ音で切れる。8小節ずつの前半後半から成るが、後半だけが繰り返される。 27:変奏1。第2ヴァイオリンがメロディを受け継ぎ、ヴィオラとチェロは全く新しい対旋律を始める。「音型b」の変化と言って問題はないのだが、そこまで分析する必要もあるまい。 51:変奏2。主題は第1ヴァイオリン、対旋律は第2ヴァイオリン。伴奏は分散和音「逆a」だが、チェロの半分とコントラバスは「タターン」という第1楽章からおなじみの音型を弾いている。伴奏にオクターブ音型が入っているのがベートーヴェン流。 75:変奏3。主題は木管へ、対旋律は第1ヴァイオリン。伴奏は三連符と細かくなっている。旋律の最後を繰り返して終結。 102:副主題。「運命」などの変奏と違って、トリオのように感じる。イ長調になり、のびやかな木管の音から始まるが、これは聞いた瞬間「音型a」だと分かるだろう。  伴奏は三連符のヴァイオリンが目立つが、低弦にオクターブが鳴っている。後半は下降する三連符から主題のメロディにつながるのが印象に残る。 139:短調に戻り、下降する三連符を鳴らすとすぐに静まって最初の主題が始まる。 150:変奏4。主題はピチカート、対旋律は木管。 183:変奏5としておくが、そろそろ怪しくなる。ベートーヴェンらしい、自由な展開が始まるのだ。ヴァイオリン二部がフーガ風な掛け合いを始める。これが弦全体へ広がる。木管が参加してくると、すぐにクライマックスに達する。上昇する音型「音型c」がどんどん目立つのも印象的。 214:木管は「音型c」を続け、金管と弦が主題を激しく鳴らす……が、変奏にならず、ワンフレーズだけで終わってしまう。 225:イ長調で副主題の再現。これももうあっさりしている。主題の同じ音の連続だけを繰り返す。 248:同じ音の繰り返しから冒頭が戻るが、ベートーヴェンお得意の、楽器から楽器へトスして回すやりかた。弦の主題に木管が和音で受けて曲を閉じる。この最後の木管は、この楽章の最初に鳴った音である。

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