【粗筋】
人別帳が寺にあった時代のこと。神道に凝った又七が、池田で1升飲んで帰ったが、翌朝になっても目を覚まさない。てっきり死んだと思った家族が、普段又七は神式で葬式をやってくれと言っていたのを思い出し、葬儀の準備を始めるが、寺が人別帳を持っていて、坊主が許さない。そこでオネオネの佐助が寺へ言ってオネオネと交渉するが失敗。次にゴウマンの幸助が行くが、傲慢な言い方に坊主が追い返す。最後にゴツキの源太が行って、喧嘩腰で交渉し、表向きは仏式、裏で神式にするということで決着した。
ところが2日目に池田の伯父さんが来て、
「又七は三年酒というものを飲んだので三年間死んだようになる」
と言う。神式にしたので焼かずにおいて助かった。さっそく墓を掘り返すと、又七が目を覚まし、
「ヒヤで持ってこい」
「ああ、こりゃ焼かな直らん」
【成立】
上方噺。「三年酒」「神道の御神酒」とも。枕に「由辰」を振ることもある。落ちは「焼きを入れないと直らない」の意味。もちろん「焼かずにおいた」との洒落。