【粗筋】
幼稚園の子ならごまかしがきく。
「父ちゃん、チャンピオンて何だい」
「あれか……父ちゃんが歌うとみんなうっとりする。ちゃんの美音……チャンビオンてんだ」
小学校に入ると、もうダメで……
「お寺の門の脇に蛇がのたくったような字で何か書いてあるのは何だい」
「それはお前……学校に行ってるだから、先生に字を習うんだ。父ちゃんが教えたら学校はいらないだろう」
「でもあんな変な字は学校でも教えないよ。ちょいと教えてよ」
「うん……あれは髭題目といって、南無阿弥陀仏と書いてあるんだ」
「へえ、でも南無阿弥陀仏は六字だろう。お寺のは七字あったよ」
「そんな字数を学校で教えているのか……だから餓鬼が爺ぃ臭くなるんだ……」
「最後の字は仏じゃなくて、義経の経、お経の経だったよ」
「だから一番下につけてあるんだよ」
「どうして」
「いろはだって終いは京じゃねえか」
【成立】
江戸小噺と紹介されているが、学校がネタになっているだから、最後の落ちだけなのだろう。。髭題目は日蓮宗で、「南無妙法蓮華経」の七文字を書いたもの。「法」以外の六字の最後を髭のように伸ばして書かれているのでその名がある。
