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テーマ:落語について(2960)
カテゴリ:落語
【粗筋】 新宿の遊女・お杉、父親からの無心に、これが最後だから親子の縁を切ってもいいから20円用立ててくれと言われ、半七に無心する。半七は半分の10両しか作れなかった。そんな話をしていると、田舎者の角蔵が来たという。すぐ向かいの部屋に入れたというので、半七には、金が欲しいからちょっと甘いことを言うが、甚介(焼き餅)はいやだよと言って向こうに行く。 田舎者相手には強く出て、「お前さん、生きてたのかい」と脅し、母親の病気で人参を食べさせなければならないと話す。 「人参なら荷車一杯持って来(き)べえ」 「そうじゃない。唐人参と言って、1本で十両もするんだ」 「へえ、そんなでけえ人参があるか」 金は持っているが馬を買うのに預かった金だから出せないという。 「おっ母さん助ければ馬買えねえし、馬引っ張って帰(けえ)ればおっ母さん助けられねえし……」 母親と馬を一緒にするとは何と情けの無い人だと泣くと、 「年季(ねん)が明けたら夫婦(ひいふ)になるだ」 と20両を出す。 半七は向こうから覗いて笑っていたが、戻って来ると、「じゃあ、金は出来たから、俺のは持って帰る」と言う。でも後五両足りないというので、20両のところを15両あるからいいだろうと言って、とうとう喧嘩になる。とうとう半七が折れて金を出すからと言うが、お杉は「いらないよ」と突っぱねる。半七が謝って5両の所、10両出すからと頭を下げる。 「ごめんなさい。親のことでイライラしていたの。もらっていいの」 ってんで金を持って親の元へ……って、そこで待っていたのは本当の間夫の芳次郎。 眼病で命に係わるというので20両を頼んだのだ。「20両に、後5両あるから、精の付く物を食べてね……でも見た目は全く悪そうじゃないんだけど」「これは外が何でもないが、内側が悪。内傷眼という」さて、金をもらって帰ろうとするので、泊まって行ってほしいと言うと、芳次郎は怒って金を返すと言う。「そうじゃねえか。一刻も早く医者に行ってというのが本当だろう」と言うのをなだめ、頭を下げて受け取ってもらう。 「すまねえ、目が悪いとイライラしてるんだ。じゃあ、借りていいのか」 「何言ってるんだ。夫婦になるのに貸すも借りるもあるもんか」 男が帰ると、手紙を落としている。中を見ると、女が借金のカタに無理やり妾に入れと迫られているから、何とか20両を作ってくれとお願いしたら、新宿の女郎をだまして金を作るとのこと、金のためにその女と切れなくなったらという心配を綴っている。お杉は騙されたと知って悔しがる。 待っていた半七、煙草盆の引き出しを開けると手紙が出て来た。芳次郎から、目の病で金がいるが、馴染みの半七というのをだまして金を作るが、金でその男と切れなくなったら……という心配を綴っている。さあ、戻ったお杉と大喧嘩になる。 これを聞いた角蔵、 「おい、誰かいねえか。喧嘩をしているのはお杉でねえか。止めてやれ。あれは色でも安でもございません。母親の病だっちゅうで、金を恵んだだけで……あっ……おい、こんなことを言うと、おらが色だってことが現れやしねえか」 【成立】 柳家小せん(1)の創作と伝わる。三笑亭可楽(8)が高く評価され、もっとも優れた所縁とされるが、もう時代遅れ。私が聞いたのは金原亭馬生(10)、三遊亭円生(6)、古今亭志ん生(5)等……この中では円生が上出来、志ん生は不出来。みんな故人じゃねえか……その後は五街道雲助が素晴らしかった。 今も多くの人が演っている。お杉に金を出す半七、それを芳次郎に渡すお杉。それが同じような台詞の連続。それから手紙を見付けて二人が同じような反応。そこに男と女の違いも出て、実に見事な心理ドラマが展開する。とぼけた田舎者に戻って落とすのも秀逸、実によく出来た作品。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2026.06.08 05:26:25
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