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名作落語大全集

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2026.06.08
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カテゴリ:落語

【粗筋】 新宿の遊女・お杉、父親からの無心に、これが最後だから親子の縁を切ってもいいから20円用立ててくれと言われ、半七に無心する。半七は半分の10両しか作れなかった。そんな話をしていると、田舎者の角蔵が来たという。すぐ向かいの部屋に入れたというので、半七には、金が欲しいからちょっと甘いことを言うが、甚介(焼き餅)はいやだよと言って向こうに行く。

 田舎者相手には強く出て、「お前さん、生きてたのかい」と脅し、母親の病気で人参を食べさせなければならないと話す。

「人参なら荷車一杯持って来(き)べえ」

「そうじゃない。唐人参と言って、1本で十両もするんだ」

「へえ、そんなでけえ人参があるか」

 金は持っているが馬を買うのに預かった金だから出せないという。

「おっ母さん助ければ馬買えねえし、馬引っ張って帰(けえ)ればおっ母さん助けられねえし……」

 母親と馬を一緒にするとは何と情けの無い人だと泣くと、

「年季(ねん)が明けたら夫婦(ひいふ)になるだ」

 と20両を出す。

 半七は向こうから覗いて笑っていたが、戻って来ると、「じゃあ、金は出来たから、俺のは持って帰る」と言う。でも後五両足りないというので、20両のところを15両あるからいいだろうと言って、とうとう喧嘩になる。とうとう半七が折れて金を出すからと言うが、お杉は「いらないよ」と突っぱねる。半七が謝って5両の所、10両出すからと頭を下げる。

「ごめんなさい。親のことでイライラしていたの。もらっていいの」

 ってんで金を持って親の元へ……って、そこで待っていたのは本当の間夫の芳次郎。

眼病で命に係わるというので20両を頼んだのだ。「20両に、後5両あるから、精の付く物を食べてね……でも見た目は全く悪そうじゃないんだけど」「これは外が何でもないが、内側が悪。内傷眼という」さて、金をもらって帰ろうとするので、泊まって行ってほしいと言うと、芳次郎は怒って金を返すと言う。「そうじゃねえか。一刻も早く医者に行ってというのが本当だろう」と言うのをなだめ、頭を下げて受け取ってもらう。

「すまねえ、目が悪いとイライラしてるんだ。じゃあ、借りていいのか」

「何言ってるんだ。夫婦になるのに貸すも借りるもあるもんか」

 男が帰ると、手紙を落としている。中を見ると、女が借金のカタに無理やり妾に入れと迫られているから、何とか20両を作ってくれとお願いしたら、新宿の女郎をだまして金を作るとのこと、金のためにその女と切れなくなったらという心配を綴っている。お杉は騙されたと知って悔しがる。

 待っていた半七、煙草盆の引き出しを開けると手紙が出て来た。芳次郎から、目の病で金がいるが、馴染みの半七というのをだまして金を作るが、金でその男と切れなくなったら……という心配を綴っている。さあ、戻ったお杉と大喧嘩になる。

 これを聞いた角蔵、

「おい、誰かいねえか。喧嘩をしているのはお杉でねえか。止めてやれ。あれは色でも安でもございません。母親の病だっちゅうで、金を恵んだだけで……あっ……おい、こんなことを言うと、おらが色だってことが現れやしねえか」

【成立】

 柳家小せん(1)の創作と伝わる。三笑亭可楽(8)が高く評価され、もっとも優れた所縁とされるが、もう時代遅れ。私が聞いたのは金原亭馬生(10)、三遊亭円生(6)、古今亭志ん生(5)等……この中では円生が上出来、志ん生は不出来。みんな故人じゃねえか……その後は五街道雲助が素晴らしかった。

 今も多くの人が演っている。お杉に金を出す半七、それを芳次郎に渡すお杉。それが同じような台詞の連続。それから手紙を見付けて二人が同じような反応。そこに男と女の違いも出て、実に見事な心理ドラマが展開する。とぼけた田舎者に戻って落とすのも秀逸、実によく出来た作品。









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Last updated  2026.06.08 05:26:25
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越智 健

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落語愛好者@ Re:落語「は」の88:浜野矩随(はまのまさのり)(02/08) 読みが違っておりますよ。 浜野矩随は「は…
ヌ−ベルハンバ―グ@ Re:落語「ね」の14:猫忠(ねこただ)(09/24) 初めてコメントさせ頂きます。 六代目・三…
名無し@ Re:落語「と」の86:とろろん(05/12) 「デロレン左衛門」は「デロデン祭文」では…
モルモタマ@ Re:65:油屋猫(あぶらやねこ)(10/21) これは小咄で、桂米朝が小咄ばかりを演じ…
背番号のないエース0829@ 日比谷公園 「日比谷焼き討ち事件」に、上記の内容に…

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