パニックになると
パンは自分の思いが通らなかったらとっても悲しくてパニックになります。そんなときはあれこれ言うより、未来へ気持ちを切り替えるように促します。先日も弟とアイスを半分こしたとき、2つは同じ大きさなのですが、パンが気に入った方を弟にとられ、パニックになりました。このときにこのアイスについてあれこれ言ったり、代替品を出してきたりするとどんどんどつぼにはまっていくのです。とにかく未来への見通しをたて、その未来は確定したものではない、という風に持っていかないといけません。例えば、「また明日買ってあげる」というと、ほんとに明日買いに行かないといけなくなるので、「また買おう、また良いことあるよ」と未来があることを強調しつつも、予定をはっきりさせないように言います。本人は白黒はっきりつけたいので、「いつ?何曜日?あと何分?」とかいいますが、「それはお楽しみ」と言っています。祖父母や親戚など私と夫以外の大人はその辺の理解がまだまだ難しく、結局代替品もとられ、新たに買わされ、という最悪の事態までおちてしまうことがあります。一度見たたべものは絶対くれるまで納得しないので、まず目に触れないようにするのが一番、もしみられてしまったら「これは今はあなたのものでない」ということをさっと示して仕舞う方が良いのですが、説得を試みたり、「これあげるから」などというと最初に見たものとあとで見せられたもの両方もらうまで納得しません。こういう知的に障害がある子供にはよく見られる行動が年齢を重ねるにつれ目立ってきます。周りにはそのことについての理解が追いつかないのかなとも思います。言葉巧みなところがあり、妙に賢さを覗かせるときもあるのでそれでパンが「理解できている」と勘違いするというのもあるでしょう。パンはすぐにパニックになりますが、激しく暴れるということはなく、さめざめと泣くって感じなのですが、そういうときに弟が「お兄ちゃんパニックになってるで」なんて言います。パンはなぜか「えらかった、がんばれた」といわれると嫌がるのですが、弟はわざと「えらかった、がんばれた」といってパニックに陥れようとします。こうやって兄に対する理解を進めてるのかもしれません。