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2011.11.13
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カテゴリ:政治学・社会科学


【送料無料選択可!】大阪都構想Q&Aと資料 大阪・堺が無力な「分断都市」になる (自治総研ブックス) (単行本・ムック) / 澤井勝/編著 村上弘/編著 大阪市政調査会/編著

 村上弘さんからご恵贈いただいた本を紹介します。大阪都構想(大阪市分断構想)についてのQ&Aと資料からなっています。もっとも精力的に大阪都構想を批判してきた人たちの1人に立命館大学の村上弘さんがいます。上山某が「都構想反対の行政学者や評論家には経済音痴が多い」とブログで豪語していますが、その行政学者はたぶん村上さんのことだと思われます。

 それにしても、橋下構想というか橋下野望に批判的ないわゆる識者は、村上さんをはじめ、内田樹さん、大森彌さん、中島岳志さん、などなどと枚挙につきないわけですが、賛成派というのは、いまだに上山某と堺屋某しか見当たりません(これらも過去の業績からいって識者といってよいかどうかもためらわれる部分もあります)。

 これに比べて、賛成派の政治家は結構いるわけで、例えば石原伸晃とかなぜか亀井静香とかがいますし、東国原英夫や、みんなの党(既成政党です)なども挙げられます。まあ、政治家の場合は、橋下旋風が今後の選挙に与える影響を考慮に入れ、自分の当選可能性、再選可能性を意識した発言と思えば納得もできます。

 興味深いのが滋賀県知事の嘉田由紀子で、大阪都構想に期待しているという報道がなされています。「そもそも大都市制度はたいへん不効率だということはみんな分かっている。本来ならば国が見直さなければならない」(京都新聞10月26日)という発言をしているのです。

 この発言の5日ほど前には、嘉田知事、市長ともめています。「関西広域連合に参加している滋賀県の嘉田由紀子知事に対し、県内13市長でつくる県市長会が「対話が不十分」として、広域連合参加の再検討を求める要望書を出し対立が激化、広域連合事務局が「滋賀以外では聞いたことがない」と驚く“異常事態”になっている。」(産経新聞10月21日)という事態があります。こうした出来事があっての発言ではないでしょうか(大津市を分割して特別区にして滋賀都を目指すという「期待」があるのでしょうか)。

 村上さんの著書に戻って、65ページには興味深い指摘があります。現在、区割り案を出さずに、都制度の枠組だけを問うような選挙戦になっていますが、このことを例えて村上さんはこう述べています。「400年前、大阪城に攻め寄せた大軍勢が、城の内堀まで廃止せよと要求せずに、「外堀だけ埋めれば許す」とひとまず宣言した戦術に似ていますね(ここで外堀とは、政令指定都市としてのまとまった自治体機構の意味。)」

 まさに400年前の繰り返しが行われるのかというところです。ところで、大阪秋の陣は維新の会が言い始めたようですが、大阪にとって大坂冬の陣にしろ、夏の陣にしろ、大坂が徳川に屈したにっくき闘いです。通常の大阪人の感覚なら、大坂秋の陣などと名乗るはずはありません。大阪人の発想とは思えないのです。

 維新の会が大阪を攻め滅ぼす外部勢力なら合点がいきます。であれば、

大阪よ、冬の陣と夏の陣で徳川に敗れ、400年後、秋の陣でも屈するのか。
ああ大阪よ、大阪人よ。






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最終更新日  2011.11.13 22:59:54
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