2007/06/28(木)18:33
自律型人材と自律型組織の育て方
日本経団連が発表した新卒者採用に関するアンケート調査では、企業が「採用選考時に重視する要素として、3年連続で『コミュニケーション能力』が選ばれている。また、チャレンジ精神、主体性が続いている。
(1)コミュニケーション能力
(2)チャレンジ精神
(3)主体性
こういった要件を満たす人物像を一言で言うと『自律型人材』ということだろう。
もう少し詳しく自律型人材を定義すると下記のような要件になると思う。
(1)組織ミッションと自己の役割を理解し、役割を担うことができる。
(2)自ら直面した問題を積極的に解決していくことができる。
(3)自発的に目標設定、進捗確認、活動管理、そして見直しが行える。(PDCAをまわせる)
(4)組織の役割やルールを守り、属人的でなく、自ら善悪の判断が行なえる。
(5)論理的に他人と情報交換できると共に、自他双方の感情を尊重し円滑な人間関係を構築できる。
まぁ、すべて揃った人は、なかなかいない。
かと言って諦めてしまっては企業は成長しない。
こうした人材を育成していくことは、当然の経営努力だろう。
昔ながらの「いいから黙って俺について来い」のボス型マネジメントでは、自律型人材は育たない。
「自分は部下をコントロールできる」と考える上司の下には、「自分は上司によって支配されている」と考え、自ら考えようとしない消極的で無責任な部下が増える。
自律型人材を育てるには、できるだけ部下に裁量を与えなければ駄目だろう。
しかし、放任してしまってはチームはバラバラになり、チームとして成果をあげることはできない。
組織としてパフォーマンスを上げるには、ビジョンとミッションの共有、組織への参画意識、個人の自律的な行動、チームメンバーとの共感により、チームワークを高め、チームとしての問題解決能力を高める必要がある。(チーム脳の強化)
チームメンバーが連携して複雑な問題の全体像を正確に捉え、思考を深め、問題解決していく。
ビジネスの問題は、殆どが複雑系の問題。
いろいろな要素が複雑に絡み合って動的に状態は変化していく。
こういう問題を解いていくには、多様な視点が必要になる。
ひとりの狭い枠組みで思考するよりも、多様な視点を持つチームメンバーが集まって考えた方が良い。
では、どうすればチームは結束し、チーム脳を鍛えることができるのか?
やはり個人の資質なのか?
これが僕の重要課題だったのだが、ようやく答えが見えてきた。
アクションラーニングというグループ学習の手法だ。
次回はアクションラーニングについて説明したい。