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2023/09/30(土)11:29

麺聖のブログ<福田村事件>

世相(230)

昨日はソレイユで映画を見た。森達也監督『福田村事件』だ。田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、ピエール瀧とある意味興味をそそられる名前が並んでいる。 このチラシの山、何となく讃岐富士(飯野山)に見えるなぁ。ちょうど100年前の1923年(大正12年)9月6日、同月1日に発生した関東大震災による社会不安の中、薬の行商の一行15名が千葉県東葛飾郡福田村の利根川沿いの神社で地元の自警団に朝鮮人と間違われ暴行され、9名が殺害された事件。行商人は香川県三豊郡の被差別部落の人たち。 今ある防災の日は関東大震災地震の発生日による。 震災後にあちこちで虐殺が起こった。これは残された公的資料もある事実である。それをベースに、朝鮮半島・朝鮮人との関わり、大正デモクラシー下の農村社会を描いている。不安になった住民の集団心理からの虐殺。国による社会主義の虐殺。100年前のことだけど、将来起こらないと言えるのだろうか。 瑛太の「朝鮮人なら殺してもええんか?」のセリフ。良くはないが、被害者が朝鮮人なら記憶としては残ったのではないだろうか。福田村事件が記憶から葬り去られた最大の理由は、朝鮮人と間違われて虐殺された日本人の被害者が、被差別部落出身者だったことによるのだろう。 ソレイユで上映ということで予算があまりないマイナーな映画である。私が見た回はソレイユの地下の小さい方の90席。観客は4人だけだった。満席というネット情報は東京発のインテリのものかも。ただシニア割で1100円で137分間たっぷり充実した時になる。 これはフィクションだと事実すら否定したい勢力もあるようだが、その希望に反して上映スクリーン数と興行収入は増加しているようだ。そうそう少なくとも東出さんはノンフィクションに見える(笑)。 (追記) 上映スクリーンはイオンシネマ、MOVIXにも広がり、9月24日時点で動員人数10万人を超え、興行成績1億4千万円を超えてる。

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