2005/02/10(木)18:44
埋もれていた遠い日の。。。
ずっと昔、それがいつ頃のことか思い出せないほどの遠く淡い想い。
《弁護士》に憧れたことがありました。
多分、何かのメディアを通してその姿を見て、感動したかカッコイイと思ったか、
とにかくその程度の、いわゆる“憧れ”です。
「お花屋さんになりたい♪」「ケーキ屋さんになりたい♪」
それらと並ぶ、漠然とした一時的な想い。
いつしかそれは「スチュワーデスになりたい♪」「ホテルで働きたい♪」という
やや現実味を帯びた希望に、いつしかかき消されてしまいましたが。
そんなことを思い出しながら出かけた先は、東京地方裁判所。
ここを訪れるのは2度目です。
それは16年前の夏、某バンドのギタリストがLSDの使用で逮捕された件の判決の日。
当時はインターネットなどなくて、新聞社に電話をしてこの日を調べたような記憶があります。(^0^ゞ
朝早く行くと傍聴券の抽選があるので、それに間に合わせようと高熱をおして出かけたのはいいけれど、
体調不良の上、慣れない地下鉄で行き先を間違え、反対側の電車に乗ってしまい、
やっとの思いで着いたときには既に抽選は終わったあと。
「何しに来たんだ?(T_T)」と途方に暮れたものです。(笑)
本人が到着するまでにどれくらいの時間があったのか、まったく覚えていなくて、
ただ、カメラを構えて場所取りをする報道陣と、黒服や制服に身を包んだ少女たちの姿。
まるでこれからコンサートでも始まるかのように、みんな笑顔だったことを思い出します。
実際、事件の重大さよりも「本人に逢える♪」という想いで集まった人がほとんどだったのでしょう。
アタシも・・・そうだったのかもしれません。覚えてないけど。^^;
その日は、白いレースのブラウスに黒のスーツを着て行ったんです。
一応、裁判所だからキチンとした格好で行ったのだと思います。
そのおかげか、ほとんどのファンが入り口で規制されてるのを横目で見ながら
アタシはまったく咎められることなく中へ。(笑)
右手の奥にあったベンチに座って、ボーッとそのときを待っていると、突然、
怒涛のような歓声とも悲鳴ともつかない騒ぎが起こり、数人の男の人たちが目の前を通り過ぎてゆきました。
続いて、係員の制止を振り切って走り出す、もの凄い数の少女たちが。。。(^◇^;)
どれくらいの時間が経ったのか、係りの人から判決の説明がありました。
外で待っているファンに向けての声が、建物の中にいるアタシの耳にも聞こえ
思わずつぶやいた「わぁ・・・キビシイ」という一言に、そばにいた男の人が反応。
「え?アナタもファンの人?!」「はい」
こうして、某スポーツ新聞に〔○○市から来たOL(2●歳)〕としてコメントが載ったわけです。(笑)
そんな、ちょっと懐かしい記憶を重ねながら「あぁ、ここだったんだなぁ」と
感慨深く辺りを見渡し、入り口に向かうと。。。なんと!
当時はフリーだったはずの玄関が《関係者(弁護士さんとか)》と《一般》に分けられ、
入るとすぐに物々しい装置、飛行機に搭乗するときに通過するアレが設置されていた!
たくさんの係員に見守られながら通過するプチ緊張感に「あぁ、裁判所なんだぁ」と実感。
あれから16年、世の中は、当時からは考えられないほどに荒れて危険になりました。
思わぬところで時の流れと重さを思い知らされ、初めて踏み込む未知の世界、
裁判の傍聴席へと向かいながら、遠い昔の“憧れ”を思い出していました。