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2024.11.12
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リナは早速、アキラに教えてもらったベリーとチョコレートを組み合わせた特別なレシピに挑戦することに決めた。仕事が終わると、他のスタッフが帰ったあとも一人で残り、クリスマスケーキの試作に取り組んだ。ケーキの土台にはしっとりとしたショコラ生地を選び、その上にベリーの層を重ねて甘酸っぱさを演出することにした。

何度か試作を繰り返すうちに、リナはケーキを食べる人が一口ごとにさまざまな感情を感じられるような味わいを目指していた。甘さの中にふとした酸味が訪れ、それが再び甘さに戻る…そういう複雑な味わいが、記憶と感情を呼び起こすと信じていた。

ある日、試作品を作っていると、ふと「このケーキに何か特別なメッセージを込められないだろうか?」と考えが浮かんだ。リナは母が病床で見せた笑顔を思い出し、あの頃の自分に戻って、母に伝えたかったことをケーキに込めてみたいと感じたのだ。

しかし、リナは思いを伝えることに少し不器用だった。言葉で伝えきれない部分を、ケーキに閉じ込める方法を模索する。思い出したのは、子供のころ、母に内緒で作った手紙入りのクッキーだった。母はそれを見つけ、手紙の中に書かれた幼いリナの言葉に感動して泣いたのを覚えている。

「そうだ、メッセージをケーキに仕込もう」

リナは、ケーキの一部に小さなメッセージを隠すアイデアを思いついた。食べた瞬間に自然に浮かび上がるような温かいメッセージを作り出し、それをクリームやフルーツでそっと隠す形で仕上げることにした。「ありがとう」「愛してる」など、どれもシンプルだが力強い言葉だ。

翌日も夜遅くまで試行錯誤を重ねた結果、リナはようやく理想のメッセージケーキを完成させた。ケーキに込めたメッセージが、食べる人にどう伝わるのかはわからない。でも、彼女の心の中には、「これが、私が届けたいクリスマスケーキだ」という確信が芽生えていた。

リナはケーキを見つめ、ふと誰にこの特別なケーキを贈るのかを考えた。まだはっきりとした相手は決まっていなかったが、胸の奥で微かに誰かの姿が浮かんだ気がした。







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最終更新日  2024.11.12 05:23:11
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