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2024.11.12
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クリスマス当日、リナは早朝から厨房に入り、看板商品となるクリスマスケーキ作りに取りかかった。いつも以上に緊張していたが、同時に心には強い決意があった。「このケーキで、食べる人すべてに温かい気持ちを届けたい」――それがリナの願いだった。

ケーキの土台には、しっとりとしたショコラ生地を採用し、その上に甘酸っぱいベリーと濃厚なチョコレートクリームを重ねていく。クリスマスらしい色合いのフルーツを使い、豪華でありながら温かみのあるデザインに仕上げることを心がけた。ケンジと一緒に試作を重ねたこともあり、自然と手際よく進んでいく。

隣で見守っていたアキラも、「いいね、リナ。今日は最高のケーキになりそうだ」と笑顔で声をかけてくれた。その言葉にリナの緊張が少しほぐれ、気持ちがさらに高まった。

お昼頃には、リナが担当したクリスマスケーキが店頭に並んだ。見るからに華やかで、赤と白、そして緑のアクセントがクリスマスらしさを引き立てている。次々に訪れるお客さんがケーキを手に取り、「これが今年のクリスマスケーキか」と嬉しそうに笑う姿を見て、リナの心は喜びで満たされていった。

そのとき、ケンジがふとリナに近づき、「今日はお疲れさま。俺、実はもうひとつ頼みたいことがあるんだ」と小さな箱を差し出した。それは、リナの作ったクリスマスケーキと同じデザインの小さなミニケーキだった。

「え、これ…?」

リナが驚いた顔で見つめると、ケンジは少し照れたように微笑み、「今日のケーキは、リナの思いがたくさん詰まってるだろ?だから、俺にもその気持ちを少し分けてもらいたいんだよ」と言った。

リナはその言葉に胸がいっぱいになり、ケンジからミニケーキを受け取った。彼女はその場で一口食べてみると、甘酸っぱいベリーとチョコレートの絶妙な味わいが口の中に広がり、今まで作り上げてきた努力と想いが報われたような気持ちがした。

「ありがとう、ケンジ。あなたのおかげで、今日のケーキは特別なものになったわ」

リナの言葉に、ケンジも静かに頷いた。そして二人は、静かながらも深い絆を感じるクリスマスのひとときを共有したのだった。

店の外では、クリスマスイルミネーションがきらめき、街は幸せそうな人々で賑わっている。リナはその景色を見つめながら、「ケーキを通して誰かに喜びを届けることが、こんなにも自分の心を満たすものなんだ」と改めて感じていた。







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最終更新日  2024.11.12 05:37:05
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