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2024.11.16
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保育園の主任、川上美咲は、沙織から贈られたクッキーの温かさを胸に、職場で働く同僚たちへ感謝の気持ちを伝えたいと考えた。年末が近づくこの時期、職員たちは日々子どもたちのケアや行事の準備に追われ、心身ともに疲れが溜まるころだった。

翌朝、美咲は出勤前に街のパン屋へ立ち寄り、焼きたてのスコーンを人数分購入した。それをカラフルな袋に詰め、簡単なメッセージを添えた。

「いつも子どもたちのために頑張ってくれてありがとう。少しでもホッとする時間を持てますように。」

お昼休み、美咲は職員室でそのスコーンをひとつひとつ同僚たちに手渡した。

「主任、これ全部用意してくださったんですか?」

「ええ、ちょっとしたものだけどね。みんなの頑張りを見ていると、本当に感謝しかないから。」

保育士の一人、若手の中村彩奈は、それを受け取って涙ぐんでいた。

「ありがとうございます。最近バタバタしていて、正直自分の余裕がなくなっていました。でも、主任のこういう優しさに救われます。」

彩奈の言葉を聞き、美咲も胸が熱くなった。誰かの感謝がこうしてまた次の感謝を生むことを実感し、心の中で沙織に感謝の念を抱いた。

その日、職員室ではちょっとしたお茶会が自然と始まり、スコーンを片手にそれぞれが感謝や労いの言葉を交わし合う場となった。普段は仕事の話ばかりだった職員室が、笑顔と和やかな雰囲気で満たされた。

そんな中、彩奈はふと考えた。「私も誰かにこうして感謝の気持ちを伝えたい。」

その夜、彩奈は実家に住む両親に電話をかけた。仕事に追われ、なかなかゆっくり話せていなかったが、その声を聞くと自然と懐かしさが込み上げてきた。

「お母さん、元気にしてる?最近なかなか帰れなくてごめんね。」

「あら、彩奈。元気よ。でも、電話してくれて嬉しいわ。」

久しぶりに母と話しながら、彩奈は年末に帰省できないことを詫びつつ、何か感謝を伝えられる方法を考えた。翌日、地元の特産品を扱うオンラインショップで、母が好きだった和菓子の詰め合わせを見つけ、それを注文した。

「これを受け取ったら、少しでも喜んでくれるかな。」

数日後、彩奈の母親のもとにその贈り物が届いた。箱を開けた瞬間、母は思わず笑顔になった。

「彩奈がわざわざこんなものを送ってくれるなんて……。」

詰め合わせには、彩奈からの手紙が同封されていた。

「お母さんへ

いつも私のことを気にかけてくれてありがとう。お母さんが作ってくれたご飯や、私を支えてくれた優しさを思い出すと、改めて感謝の気持ちでいっぱいになります。遠く離れていても、その気持ちだけは伝えたくて、これを贈ります。体に気をつけてね。」

母親は手紙を読み終えると、そっと目頭を押さえた。

「彩奈も頑張っているのね……。」

母親はその日の午後、近所の友人たちを招いて、お茶会を開くことにした。彩奈から贈られた和菓子を少しずつ分け合いながら、昔話や近況を語り合う時間が広がった。

 






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最終更新日  2024.11.16 08:04:22
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