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「よ」があまりにも寝ないので、私は少しばかり腹を立てていました。
そこで、部屋を真っ暗にして、少し「よ」から離れて座りました。 「よ」はしばらくガサガサとうごめいていたのですが、私の気配が感じられなかったらしく、 「かぁかあしゃん……」 と不安げな声で呼びます。 それでも私が気配を殺していると、手探りで私の膝を探し当てました。 「かぁかあしゃん」 今度は確信に満ちた声。 私は「よ」を膝に乗せて、きゅっと抱きしめました。 この瞬間が、最初の反抗期の子を持つ母の醍醐味だなぁ、としみじみ思います。 普段は「イヤ」「ダメ」「自分で」「出来ない、ギャーッ」のカイジュウ。 だけど、やっぱり私が守ってやらないとダメなんだ……と愛しさが込み上げてくるのです。 山上憶良の詠んだ通り、金銀宝石に勝る宝。 いつもこの気持ちで子どもたちに接する事が出来ればいいのに。 銀も黄金も珠も 何せむに 勝れる宝 子にしかめやも お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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