精神の分離と融合について その3 めたもる
仙道での瞑想は簡単です。体内の気を強めるだけで自動的に瞑想状態に入っていけます。その方法について詳しく語る前に、そもそも瞑想状態とは何なのかについて説明しましょう。あくまで仙道における瞑想についてですので、他の方法とは違うことを理解してください。仙道の(初期)瞑想状態とは「意識のあり方について自覚すること」これに尽きます。どう言うことか。普段の自分だと思っている意識については、それが顕在意識と呼ばれるものだと言うことはさんざん説明してきました。フナで言うミドルセルフ、ウハネと呼ばれるものです。この意識は肉体に同居していて、潜在意識と繋がっています。繋がってはいますが、それぞれが独立した意識を持っていることも説明しています。そして顕在意識がどこにあるのかと言うと、頭の少し後ろの部分にぺたりとくっついています。顕在意識は、視覚からの刺激を受けて肉体上の位置を補正し、そこにいると感じています。視覚の情報は視神経を通じて大脳の後頭部に送られ、そこで処理を受けます。つまり、映像情報を処理することによって、顕在意識と呼ばれる意識は、肉体上での自分の位置を確認しているわけですね。と言うことは、視覚情報の処理を行わなければ、顕在意識は肉体上での自分の位置を見失ってしまうと言うことです。これ、確かめるのはとても簡単です。全く光の入らない部屋で椅子に座りじっとしてください。できるだけリラックスして身体の感覚が感じられないようにしていると、実際の肉体の位置と、「自分であると感じている意識の感覚」にずれが生じてきます。具体的には、しばらくじっとしてから、腕を持ち上げます。ゆっくりと指で頬を触れてみてください。実際の位置と、自分でこの辺りだろうと思っていた位置がずれていませんか?このように、肉体の感覚と自分の意識と言うものは、常に感覚によって補正を受けていないと簡単にずれてしまうものなのです。これを意識的に起こして肉体と意識の関係を理解するのが仙道の瞑想法となります。なので、まず最初は視覚の情報を遮断することから入ります。そして肉体感覚の遮断を行い、ずれを確認します。それが理解できたら、今度は肉体のエネルギーを高めていきます。これは感覚神経を飽和状態にして、人工的に意識と感覚の遮断(実際には遮断ではなく信号を飽和させる)を行い、肉体から意識が独立していることを感じやすくします。しかしこの状態に入るには、最初にかなりの生体エネルギーを必要とします。そのために心身の休息を十分に行い、自然なエネルギー生成が起こるようにしなくてはいけないのです。なので瞑想に入る前に、十分に睡眠をとる食事を軽くし、瞑想の二時間前には何も食べない遮光できて、静かな場所を確保する仕事や家庭、個人的な悩みなどが浮かんでこないよう、ストレスを減らす、もしくは無視できるようにする目を閉じて瞑想をした時に眠くなるのは睡眠が足りていないか、肉体が消耗している証拠です。じっとしていていろんな事が思い浮かんでくるのはストレスです。瞑想が進んで慣れてくると、それらがあっても修行ができるようになりますが、最初はそれらをすべて排除しなくてはいけません。そうして瞑想状態に入り、体内の気を極限まで高めていきます。