現実世界のフナ2
”前向きに生きる” 人はどの国においても生きることで精一杯です。自分の置かれた状況を変えたいと思っていても目の前の事を処理するのに手一杯で、先を見据えた行動を取ることが難しいと言うのは良く感じるはずです。そういう状況だからこそ、フナなどの力を欲するわけですから。人は状況が良いとき、余裕があるとき、心身の調子が優れている時は、他人や他の物事を考える余裕がありますが、精神的にも肉体的にも苦しい場合に、自分以外の事を考える事はあまりできません。私も調子の良いときはいろいろやりたくなるんですが、忙しくなってくると放置してしまいます。コツコツと続けられればもっと大成してるんでしょうけどね。病気になると気力も落ちますし、何よりも体力が無くなってくるので努力を継続するのが難しくなります。自分が大学生の頃に腎臓病で入院していた頃、歩くのにも息を切らせていた当時は何もする気がおきませんでした。そういう状態で前向きな意識を維持すると言うのは本当に厳しいのです。明日の自分、来週の自分、来月、来年、その先を想像してみましょう。がん患者は、来年の自分を意識できないかもしれません。もしかすると来月にもお迎えが来るかもしれないのですから。それに比べると、”死ぬべき運命を意識していない”人は幸いです。まだ先を見て努力するだけの時間が残っている(と思われる)わけですからね。時期を限って何かを成し遂げなくてはいけない人は、悩んだり迷ったりする暇がありません。そんなことをする前にやるべき事が山積みになっているのです。逆に言うと、落ち込んだり悩んでいる事に意識を向ける余裕すら無いとも言えます。それはそれで良いのですが、この記事で言いたい事とは少し違います。余命宣告を受け、自分の未来と向き合い、その現実を受け入れて、その上で前向きに生きなさいと言うことです。先程から何度も言っていますが、これは普通の人でも難しい事です。自分自身の現実と向き合うと言うのは残酷な事実を多く含んでいるからです。逆算してみましょう。あと何年生きられるかを考えれば、その期間中に自分が行える事はだいたい決まってきますね。稼げる金額、習い事にかけられる時間、生きて動いて他人と関わってできることが見えるはずです。ダイエットはいつから始めたら良いでしょうか。旅行に行くならいつになるでしょうか。多くの人はその事から目を背けて夢想しています。突発的な幸運が訪れて自分の願いが叶うとどこかで思っています。そしてそのような出来事はまず起こりません。無為に時間を食い潰していくだけです。がん患者には時間がありません。病気を乗り越え、その先に生きて行わなければいけないことがあったとしても、前向きに生きる気力を維持するのは至難の技です。なぜ難しいのでしょうか。それは考え方が古いものに縛り付けられ、固定されているからです。医者の言うことだから、ネットで調べた情報でも書籍でも治らないと書いているから、多くの人が助からないから、治ったのは一握りの幸運な人だったから・・・。自分自身に対して言い訳をしてしまいます。これは新しい考え方を受け入れる事に恐怖を感じてしまうからです。別の項目にもありますが、考え方を変えることで、物事を観るのに別の側面を発見できます。それにより、”なんとかなるかもしれない”と、希望が持てるようになってきます。そうでなくては前向きに生きる気力を維持することはできないのです。人はいつか終わることであれば我慢できますが、出口の見えない事には耐えられません。希望を見つけることです。それによって気力を繋ぐことができるのです。そしてすでに私たちは希望を見つけています。