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不安とプライドと自己嫌悪

不安とプライドと自己嫌悪

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カテゴリ:つぶやき
2002年、9月1日。
3年前のわたしの誕生日。
この日、ともだちから素敵なプレゼントをもらった。

それはテディベアだった。
親友TAKが作ったものだ。
彼女はその少し前、自分が結婚したとき、ウエディングベアを手作りして以来、
テディベアを作るのを趣味にしていた。
そして
「Meteorが結婚するときは作ってあげるからね!」
と約束してくれていた。
でもわたしは、そんな日は永遠に来ないだろうって思ってた。
もともと独身主義だったうえに、
あの男ともめて苦しんでいる真っ最中だったから。
自分が結婚なんていう普通の幸せを手に入れることがあるとは到底信じられなかった。

2002年、わたしは苦しみの真っ只中にいた。
誕生日のその日、彼女がくれた大きな包みの中からは、
真っ白なテディベア・・・まだあどけない顔をした子が表れた。
足の裏に日付とわたしの名前が刺繍してあった。

「フライングだけど」とTAKは笑った。「結婚まで待てなかった!」

「この子はまだ子供だからね、毎日話し掛けてやってね。
 そしたらMeteorと一緒に成長していくんだよ。
 顔を見ててね。だんだんおとなっぽくなっていくはずだよ!」

嬉しかった。
言葉も出なかった。
今までの人生で、一番嬉しいプレゼントだった。
実を言うと、それから3年経った今でも、一番だと思っている。

わたしはそのベアに名前を付けることにした。
考えた末、これ以上ないぐらい良い名前を思いついた。

TAKの名前の頭文字「T」
わたしの名前の頭文字「M」
そして、あと2人、とても大切な友達の名前の頭文字「Y」と「M」
これを名前として読めるように並べ替えたもの。
「TYMM」
おまけで、最も尊敬する女性(まあ、架空の人物だけど・・)
スカーレット・オハラから拝借して、
わたしはそのベアを「ティム・スカーレット」と名付けた。

ティムをじぶんの寝起きする部屋に座らせて、
毎日「おはよう」と「おやすみ」を言った。
あの男との揉め事はもう、どうしようもないぐらい拗れてしまっていて、
わたしは自分の心の醜さとあの男の卑怯さとに失望していて、
「死んでしまおう、でもただ死んだらもったいない。
 少しでもあの男を苦しめるように死ななければ・・」
そればかり考えていた。
そんな日々にも不思議とティムへの挨拶は続いた。

ティムに救われていたのかどうか、そのときはわからなかった。
でも、あんな暗い毎日の中、ぬいぐるみに向かって
「おはよう」を言う自分がいたことは、今となってはすごく救いに思える。
どんなに感謝しても足りない。


もちろん、ティムは今もわたしの家・・・結婚して、
配偶者くんと2人で住んでいる家にも連れてきた。
「友達にもらったの」
配偶者くんにはそれだけ話してある。

今、ティムの隣には、また別の年の誕生日にTAKと2人で撮った写真を飾ってある。
その写真のわたしも、とっても笑顔だ。
今よりだいぶ若い、わたしとTAK。
配偶者くんは写真についても何も訊かない。









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Last updated  2005/09/13 08:45:41 PM
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