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ざわめくパーティ会場。
その男性たちのグループは、群を抜いて目立っていた。 物理的に、アタマ一つ分。 だからこそ成り立つ商売、それも売り物の一つ。 という業界の人たちなんだということは、少し近寄ればすぐにわかった。 整った顔立ち、服の着こなし…パーツパーツ全てが まぁサラリーマンじゃないだろう、という印象。 黙っていても人目を引くそのグループ。 まぁそんな人たちもいるよね、東京なんだから。 視線を他に移そうとした時に、誰かに似た顔を見たような気がした。 いや、そんな業界に男友達はいないぞ。 でも、やっぱり誰かに似てる気がする。…わかった! 某 I 軍団主催のコンテスト 「21世紀(第二の、だったかな)の I 原Y次郎を探せ」のグランプリ、T! に、よく似ている、気がするのだが… 元々大してその業界に詳しくないし興味も薄い。記憶がおぼろげかも。 が、やっぱり似ているなぁという印象は強く残った。 たとえば整形を繰り返して理想形へ持っていけば、黄金比に近付き 特徴がない美人顔になっていくように、 整った完璧な人ばかりの業界には似たような顔がたくさんいるものだ。 私には、売り出し中のアイドルの顔の区別がつかない。 そんなわけで、その彼を横目に「そっくりさん、発見!」などと思いながら 時間つぶしとお喋りに興じていたのだった。 そんな人がいたことなんて、片手のワインであっという間に忘れてしまった。 ・・・ 私は、最後の最後まで気づかなかった。 彼は、ホンモノの T だったのだ。 あとで、聞かされた。「知ってた? I 軍団のTが来てたんだって」 あれ、ホンモノだったんですか。そっくりさんじゃなくて? あんなに間近に見たのに。 気づかなかったんじゃない。本人だと「思わなかった」のだ。 おこがましいが、自分に人を見る目がないとは思わない。 なぜ、最後まで「そっくりさん」だと思ったか。 つまり、彼には肩書き相応の空気がなかったからなのだ。オーラ、ともいうのだろう。 見てくれのよさが必須、みたいな職業でなくたって およそ有名人と言われる人たちは、何がしかの「空気」を発しているものだ。 スポットライトを一身に浴び、鳴り物入りでこの業界に入ってきたT。 が、 I 軍団というところが、Jのように若手を実に効率的に売り込むシステムを 持っていないせいなのか、それはわからないが とにかく彼は、そのオープニングにふさわしい、「見られる」機会を逃してきたに違いない。 惜しいというか、気の毒な話。 石は磨けば光る、人は見られれば輝く。 そんな彼を、他山の石に…うーん、それは言いすぎか。 普通にしていれば、やっぱり目を引く人だから。 その肩書きから、私が過剰に「空気」を期待してしまったのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 13, 2005 12:33:03 AM
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