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![]() 「ただ…。」 葉子、顔をコクリと、 「えぇ。ただ…。今現状、私たちの考え方や目と言うのが、必死になって外にばかり目が向けているように感じるんです。」 獏、 「外…???」 輪湖も、食べながら、 「外…???」 秀美は口をモグモグと…。 匡子、 「どういう事…???」 そんな匡子に葉子、一度海江田を見て、 「なんか、こぅ…、全く…手の届きそうにない何者かを追っているかのように…。だって、前々から鈴村主任や都沢主任、M&Aと言う事を知りながらも、何故かは、どうしてか…は、今も尚、突き留められないでいる。」 獏、腕組みをして、 「ん~~。」 「だから…。」 葉子。 「こういう…とんでもない状況…だからこそ、外ばかりでなくって、内側にも、目を向けてみる…。可能性は低いかも…、知れないけど…。やらないで、後で後悔するより、やった上で、間違いであったのなら、諦めも付く。」 匡子、そんな葉子に、首を縦に、 「うんうん。」 獏も獏で、口を捩じりながらも、 「ん~~。な~~るほどね~~。」 輪湖も、 「葉子~~。」 葉子、 「逆に言えば、私たちって、鶴来親子の事しか、知らないんですよね。」 そこで葉子、僅かに目を真ん丸に、 「まさか…、鶴来親子、身内で自滅するかもしれない、なんていうある種の趣味の悪い計画に乗っちゃうなんて事は有り得ないだろうし…。」 「確かに。」 獏、空になったグラスを佐武郎に。 佐武郎、そのグラスを受け取る。 秀美、 「その…、専務や常務って、どんな人なんでしょうね~~。」 輪湖、秀美に、 「えっ…???…そっち…???」 秀美、そんな輪湖に、 「ん~~。分かんないですけど~~。今の、葉子先輩の話、聞いてると~~。」 葉子、 「うん。週刊人脈の…、確か…。記者の名前は…、前園敦也。」 虎一郎、 「うんうん。確かにそう、その名前、俺、ハッキリ覚えてる。都沢さん、前に編集の仕事してて、何度か会ってる。それからの付き合いだって…。」 輪湖、 「へぇ~~。そうなんだ~~。あっ。だから、あの記事…。」 「うん。ゲラをもらって、それコピーして、全部署に。」 「そういう…、事か~~。」 「ただ…。」 葉子。 「その記者に問い質してみたとしても、まずは収穫ゼロ。そんな…、かなりの報酬もらっている…、から…だろうし…。それでなくとも、自分の記事で、ある種のアクシデント…、みたいな事にでもなったら、身も蓋もない。」 そして葉子、 「気になるのが…、やっぱり…。内部情報に詳しくないと、M&Aなんて…、有り得ない。」 獏、2度3度、頷いて、 「な~~るほど~~。」 そして、 「分かった。その線でも、調べてみよう。東風さんもあぁ言ってるし。とにかく、小さな事でも構わない。僅かな可能性から導かれるものだって、世の中、かなりあるからね~~。」 葉子、口を真一文字に、 「はい。」 匡子、そんな葉子を見て、 「はは。ヨウちゃん、さっすが~~。やるぅ~~。私なんて、そんな風には、全然考えも及ばないけど…。」 「私だって~~。」 葉子、 「ただ…、最初っから、違和感はあったのね。」 その声に獏、 「違和感…???…それも、最初っから…???」 葉子、顔をコクリと、 「はい。…どうして、中国の…、そんな巨大ホテルが、日本の…。生まれてようやく10周年。今が伸び盛りのホテルの買収…???…どうやったら、出来るのって…???」 輪湖と虎一郎、 「あ、そう…言えば、うん。そう…。」 葉子、続ける、 「普通ならさ…。業績が悪くって、どこかに助けを求めて…。…の、結果。合併、買収。お蔭で危機を免れた。…的、なのが通常…な、はず…、なのに…。」 その話に匡子、 「へぇ~~。ヨウちゃん、さすがに知ってるのね~~。」 「でも…、今回は、そんな感じとは全く…。」 両手でスープのカップを持って…。 「違和感、ありあり。」 そこまで言って葉子、 「…とは言え、私は未だ…、横浜トランキルマンヘブンズホテル、泊まった事もなければ、行った事もない。主任、羨ましい~~。」 途端に輪湖、泣きそうな顔で、 「だよね~~。」 秀美も、 「ですよね~~。」 そんな3人を見て獏、微笑む。そして隣の葉子を見て、 「…この人…。どうも…、考え方や洞察力、ナンシーに似てるんだけど…。どういう…???」 そして匡子を見て、 「…ナンシーにそっくりと…、言ってるけど…。全然…。似ても似つかない…。…なんなんだよ、これ…???」 ![]() ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ![]()
最終更新日
2022.07.01 06:20:48
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