「相当、大々的に、週刊誌でドカ〜〜ンと。」
「相当、大々的に、週刊誌でドカ〜〜ンと。」そして口を尖らせて宮越。「ぶち上げられたようで…。」その声に葉子と稜平。「えぇ。」「そのようです。」「けれども…。」少し体を起こして宮越、「まっ。そこまでが関の山。…多分、今もそうでしょうが、横浜トランキルマンヘブンズホテル、M&Aに関して、取材とかメディアは…。」その話に稜平、葉子を見て。葉子、「あっ、はい…、私ども、扶桑の対策室のメンバーが赴いても。そういう光景は…。」「おやおや。対策室とは。」「えぇ、はい。天春社長の指示で。」宮越、顔を下に向けて、「な〜〜るほど。はは、あの人らしい。人の財産に勝手に何しやがる。凡そ、美琴社長に、あんたたちは動くな。と。」葉子、頷いて、「えぇ。」「かかか。中々どうして、やんちゃな人だ。」その、「やんちゃな人。」と言う言葉に一瞬、稜平、笑顔で口をへの字に。「まっ。取材とかメディアは…、鳩羽さんの力で、どうにでもなりますから…。」葉子、「先生。…すみませんけど…、天春…会長とは…???」その声に宮越、「えぇ、えぇ。天春宗謙会長の時から…。付き合いは、もう…かれこれ、30年…。」稜平、「さすがに、長いですね~~。」頷きながら。葉子、宮越に向かって、「先生。」両眉を吊り上げて、優しく葉子を見る宮越、「はい。」「いきなり、こんな事を聞いて、申し訳ないんですけど…。先生は…、今回のこの…、M&Aは、誰が…???」その声に、アヒルみたいな顔をしての宮越、「おっと。ダイレクトで来ましたね〜〜。かかかかか。さすがはベストセラー作家、選稜平のお嬢さん。」そこまで言って、「あっ。これは、失礼。お嬢さんとは…、申し訳ない。」そして、「まっ。私が、知っている事と、言えば、ホテルキャッスルチャイナ。中国は北京。代表取締役社長、今のCEOの天佑(チンヨウ)。そして日本で言う専務には、浩然(ハオラン)、常務には俊熙(チュインシー)。そして、この人が社長の天佑の側近中の側近と言われている社長秘書の林杏(リンシン)、そして、会長の天浩(チンハオ)に…。今じゃ滅多に表には出てこないが~~、会長夫人の天華(チンファ)。…で、とにかく、今の中国ではホテル業界トップクラス。総資産が5兆4千万。とんでもないマンモスホテルだ。…と、まぁ。私が知っている限りでは…、こんな感じ。」ゆっくりと顔を後ろに引きながら宮越。そして、「あっ。ついでに言っておきますけど…。もしかして…、気にしてらしゃるかと…。」ニンマリとしながら…。「最初から、お断りさせて頂きますけど…。」そして顔をグシャリとさせて、「残念ながら、私個人的に、ホテルキャッスルチャイナの、役職方には、一度も、お会いした事が…、ない。全然。まっ、向こうの方が、あんた誰…???…と、言われるのがオチなんですけど…。」その話に稜平、「へぇ~~~。宮越弁護士とあろうお方が…???」その声に宮越、顔を左右に振って、「全然。」そして葉子、「分かりました。ありがとうございます。それと…、なんですけど…。」「どうぞ。」「宮越先生は、横浜トランキルマンヘブンズホテルの、川峯取締役と、北取締役…、御存じ…かと…。」その声に宮越、思わず口を尖らせて、目を丸く、パチクリと…。僅かに沈黙。そして、「まっ。選稜平の娘さん。で、あるからして…。既に、お調べと言うかな…。」葉子、顔を僅かに傾げて、「あ、いえ…。私が調べたのではなく、扶桑の役職者が…。」「ほぅ。…これはまた、詳しく…、調べたような…。川峯さんと、北君。まっ、確かに、接点は…ありますから…。特に、お二方、中々どうして…。この上なく魅力的な…。」「…ですが…。」葉子、思わず口が…。宮越もそんな葉子を見て、口を真一文字に、両眉を歪ませて、「ふん。」葉子、「川峯取締役も、北取締役も今回の…。」ゆっくりと口を開く宮越、「今回のM&Aとは、全く関連性がない。」葉子、コクリと顔を、「はい。」「かかかかか。それはそうでしょう~~。まっ。これも、調べてるでしょうから…。私、個人的に、弁護士でありながら、投資家でも…。」葉子、顔をまたコクリと、「はい。存じております。」「そういう意味で…、投資の話で、川峯さんと北君と知り合いまして…。それぞれと…。けれども、ふたりにも、兼ねがね、口を酸っぱくして言っていたのが…。法を犯す行為だけは、するなと…。これだけは…、頑なに…。まっ、年に2回程度、食事はしてますけど…。」「宮越先生。」葉子、宮越の目を見て、「光浦花純、総務部長、御存じでしょうか…???」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※