2019/12/02(月)21:45
「守ってやんなきゃ。ウチのルーキー。」
「私の従姉が看護婦しているとこなんです。」
橙。
「看護婦…???」
翠。
「うん。後で聞いてみます。」
翠、
「う…、うん…。看護…婦…。」
唇を尖らせながら…。
そんな翠を見て橙、
「どうか…しました…、チーフ…???」
翠、思わず右手を前に右左に…、
「いやいや。なんだか…、凄い偶然…重なるなぁ~って、思って…。」
「偶然…???」
「うん。巽君…。あ…、いや…遊馬君と新幹線でバッタリ。しかも、新幹線での席も…。隣同士。んもぅ~~、いきなりだったから、び~~っくりよ。」
そしてひと呼吸置いて翠、
「それに彼の行先も、私と…、凄い、同じ場所で…。単に目的が違うだけ…。それに…彼が倒れたときも、傍に看護婦が偶然…いて…。」
橙、
「……。」
「それに、その病院の看護婦…、ゆずの従姉…なんて…。凄いよ。」
そんな翠に橙、
「あ~~。でもでも、私の従姉…、まだまだ…看護婦…成り立てなんです。確か…、去年…看護学校…卒業して…。ようやく、晴れて看護師になれた。なんて、言ってましたから…。」
翠、
「へぇ~~。そうなんだ~~。」
そして橙の気分も落ち着き、フロアに…。
呉羽のデスクに橙、
「リーダー、すみませんでした。」
と、ペコリ。
呉羽、
「もう…???」
橙の顔を覗くように…。
「はい。大丈夫です。」
「よし。はい。頑張って~~。」
自分のデスクに向かう橙にテーブルで資料を見ながら美祢、
「あ~~っと、ゆず。ここ、ここ…。これって…???どうなってんの…???」
橙、
「あ~~。ここは…。」
そんな光景を見ながら呉羽、
「守ってやんなきゃ。ウチのルーキー。」
そして、ドアが開く、
「毎度で~~す。ルッポラで~~す。」
その声にスタッフたち、
「!!!!」
翠、そして橙がいきなりドアの方を…。
他のスタッフたちも、自然的にドアの方を…。
その場が一瞬、時間が止まったように…。
僅かに3秒ほど…。
けれども、またいつもの動きに。そしてドアに向いていた顔も、元に戻って。
巽よりは、かなり背の低い、そして、少し痩せ型の男性。
誰一人、相手にするスタッフは…。
「はい。ありがとうございます。」
一番近くにいた、麗佳。
男性、
「あっ、すみません。ありがとうございます。」
万美、
「昨日も…彼…、だったもんね~~。」
と、ポツリ。
「あっ。遊馬君…、休だ。…ってね~~。…思ったんだけど…。」
またまた椅子をスライドさせて、
「ねね、みど。見舞い、行こ。病院どこ…???」
パソコンの画面を見ながら翠、
「うん。聖露奈理亜医科大学。」
万美、
「聖露奈理亜医科大学……。…って…どこ…???」
「東京駅から…。」
記憶を辿って翠、
「20分…弱…かなぁ…。」
唇を尖らせて万美、
「……。」
「あっ、でも…、私…救急車の中だったから…、もっと、時間…掛かるかも…。」
そんな翠万美の前に、
「ここです。」
スマホの画面を…、橙。
万美、
「おっと。」
橙のスマホを、
「ちょっと…ごめん。」
「私の従姉が、そこで、看護婦…やってるんです。」
橙。
「へぇ~~。そうなんだぁ。」
「多分、今日あたり、ルッポラの人たち、見舞い、行くかもね~~。店長、病院に来たから…。昨日…。」
翠。
そして麗佳、伝票にサインして、
「ありがとうございました。」
「毎度どうも~~。」
ドアの向こうに消えていく青年。
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