2023/06/05(月)06:51
「おまえには迷惑。金遣いが荒いって設定だけど…。」
そして…。藪岡からの提案で…。
亮輔、
「な~~るほどね~~。それなら…。」
「まっ。結果的には、おまえには迷惑。金遣いが荒いって設定だけど…。その…、柚香さんの友達に、おまえが、今後、会う事は…。」
間髪入れずに亮輔、
「ない。」
「…だろうな。」
そして藪岡、
「まっ。こんな感じのシナリオで…。やってみてくれ。後は~~。柚香さんと阿須賀さんに、何とか…、密に連絡…と、か…???…話の辻褄を合わせるって…。事で。」
そんな話が、亮輔と藪岡の間で…。
休憩時間、柚香のスマホに、阿須賀からライン。
メッセージを読んで柚香、
「そういう事ね~~。OK~~。」
阿須賀も柚香からのラインに、
「うん。これで良しっと。」
大学キャンパス内のベンチで…。
柚香のスマホの画像を見ながら、
「へぇ~~。凄いね~~。陽織ちゃん、もぅ既に人気者じゃん。」
柚香、
「うん。もぅ~~。私なんて、とても、とても~~。真似できない。」
「まぁ~~。確かに。こういう写真を見ること自体、弾け飛んでるって感じだもんね~~。」
「うん。」
「それにしても、凄いよな~~。この…、陽織ちゃんと阿須賀さん。ジョッキを持って、グラスを持って、こんな顔…。確かに、深夜帯…なんだけど…。…お客さんともこんな笑顔。…マジで凄い。」
柚香、そんな真輝の声に、
「ねぇ~~。」
「2歳の記憶しかなかった陽織ちゃん、今じゃ…。こんな風に…。」
柚香も真輝のその声に、思わず、何かしら、意味を持っている風に、写真を見つめながら、小さく、
「うん。」
そして…、ふたり、共に…、沈黙…。
いきなり、柚香から、真輝をチラリと見て、
「えっ…???」
瞬間、真輝も、柚香を見て、
「えっ…???」
そして、ふたり同時に、柚香は右手を…。
真輝は左手をひらひらひらと。そして、
「いやいやいやいや。」
「…って言うか…。」
柚香、困ったような笑みで、
「かかかか。何、今の、間…。」
真輝も困ったような笑顔で、
「いや…。」
可笑しがりながら、
「柚香さんが、なんだか、物思いしているように、小さく、うん。なんて…。」
思わず柚香、顔を上げて、
「あっ。いや…。私は…、あ…。と…。真輝君が…。」
僅かに顔を赤らめて、
「陽織が、2歳の記憶しか、なかったのに、今じゃ、こんな風にって…。」
途端に真輝、柚香を見て、
「えっ…???」
いきなり柚香、僅かに顔を赤らめて、口を尖らす。
真輝、柚香に、
「どういう事…???」
そんな真輝に柚香、今度は口を真一文字に、そして目を丸く…。
「うん。もぅ~~いい。これで、おしまい。」
真輝、途端に柚香を見て、
「えっ…???」
「それにしても…。…また、私…、陽織に。」
遠くを見るような目で柚香。僅かに…、溜息。
そして、ベンチに背中を深く…。そして、小さく、
「あ~~~。」
真輝、そんな柚香をベンチには背中は付けずに、
「確かに。…でも…。…こればっかりは…、仕方がない事…だし…。…柚香さんの前で、言う…べき事じゃ、ないけど…。」
けれども柚香、そんな真輝の声に首を振って、
「ううん。そんな事ないよ。真輝君には随分と助けられてきた。」
チラリと真輝を見て…。そして…、
「…だと、思う。」
さりげなく柚香、両手を首の後ろに。髪を掻き上げて、
そして今度は両手を前に。スカートの上に。
「私には…、陽織になっていた時の事は、分かんない。…でも、陽織になっていた。そんな時には、必ず、真輝君、いてくれたし。」
一呼吸置いて。
「そして。それって…。実際…。私が、お願いした…、事でもあるから。…嬉しい。」
真輝、柚香を見て、
「柚香…さん…。」
柚香も真輝を見て、顔をコクリと。
「うん。嬉しい。…ありがと。」
真輝、優しく微笑む。
けれども柚香、
「…な~~んだけど~~。また、いつ、陽織になるのか…。ふぅ~~~。」
真輝も、その声には、
「ん~~~。」
そして、
「ねね。どうしても、分からない…???」
柚香、そんな真輝を見て、目をパチクリとさせて、
「何が…???」
「その…。陽織になる…???…タイミングって…ヤツ…???」
その声に柚香、思いっ切り顔をグシャリとさせて…。
「ん~~~。確かに。…一番、肝心な…ところ…でも、あるよね~~。」
両腕を真っすぐに前に、両手を結んで、それを裏返しに。
「ん~~~。」
そして顔を下に、
「ん~~~。どうして…。」
そして、また、
「う~~~ん~~。…な~~んだかな~~。」
そして柚香、空を見るように、
「とにかく~~。」
真輝、
「うん。」
「夜中に起きて、エンカントに行く。…これは、もぅ~~。どうしようもないよ。私、完璧に、寝てるから。」
真輝も、
「うんうんうん。確かに。」
「なんだ…、けど~~~。…日中に…。」
「うん。」
真輝、柚香を見つめて。
柚香、目をキョロキョロと…、
「確か~~。」
「うんうんうん。」
LIBRA~リブラ~ vol,156. 「おまえには迷惑。金遣いが荒いって設定だけど…。」
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