道聞かれ顔

2005/12/11(日)22:43

モノを捨てること。

汚屋敷。 捨てられない女たち。 そんなテレビは必ず見る。 くいいるように見る。 興味本位ではなく、 自分自身への警告のために。 多分、ほっといても、あの、テレビまでは行かないと思うけれど、 私は以前、相当、捨てられない女だったから。 そして、しかも、結婚するまで、自分が捨てられない女だとは、気づきもしないで生きていたのだから。 洋服を買い込んだりとか、 買い物依存の傾向だとか、 そんなものはないのです。 ただ、小さな思い出を捨てられない女だったのでした。 あの、海岸で拾った貝殻。とか。 あのとき、川で見つけたすごくきれいな石。とか。 好きすぎて使えなかったかわいい便箋とか。 人からもらった手紙。とか。 結婚した相手が、おそろしく捨てられる男だったのに気づいたとき、 相当、反抗もしたし、抵抗もしました。 しかし、そこで一つ、気づきがあったのです。 捨てなくては、生活って破綻するんだって。 そこには、苦しいけど、違うものを受け入れる、という、心のけじめをつける行為がありました。 今では相当、捨てられる女になっています。 いったん、思いを変えると、ほんとに今までなんだったか、と思うほど、捨てられるのです。 でも、一つ間違えたら、ああなっていたのかも、と思うと、 空間が天井から1メートルくらいになって物に埋もれて暮らしている人や、 廊下にうずたかく積まれている袋や、 冷蔵庫の中で干物になっている元食品、 そんな、テレビの中の捨てられない女から、 目が離せないんです。 こうなってはいけない! って、戒めながら。

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