別れた夜










「もう連絡できないかもしれない」
と言って出て行った彼からの突然のメール。

私に彼の赤ちゃんがいたのに、
「何もギャランティーできない・・・」
と言って泣きじゃくっていた彼からのメール・・・



車の中でアメ太郎君が一生懸命に話す。
なんだか様子が違う。
昼間までの彼とは別人だ。

何か吹っ切れたような感じだった。


自分の気持ち、これからどうするか、
奥さんとさっき帰ってから何を話したのか・・・

私は黙ったまま聞き役に徹した。

明日から、奥さんのお母さんに会うために、
出かけるという。
一週間くらいで帰ってくるという。
離婚届にサインをくれるという。
別れることに決まったという。
その準備をするという。

そして、自分の居場所が分かったという。


だから、もう少し待っててくれといった内容の話だった。

「分かった」と思った。

でも私は、これから彼とどうするとか、
こうするとかそんなことは何も考えていなかった。
考えられなかった。


そのあと、私は自分の部屋に戻ろうとした。
そして、リビングを覗いてみると母が、
「人間、自分に正直に生きないとダメだ。
お前も、アメ太郎みたいに生きなさい・・」
と言われた。

母は、気づいていた。
どうなるのか、アメ太郎君が出て行く前から
彼がどういう行動を取るのか分かっていたんだ。

そして自分の部屋に戻る。


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今日は何をしたとか、どうするとか、
そういった内容の電話が入る。
そして、「今日そっちに帰る」と言う電話が来るまで
彼は毎日欠かさず私に連絡を入れ続けた。














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