盲目的な恋と友情
夢から寒くて目が覚めました。*一冊の本を読み終え読書メーターに投稿しました。転載します。盲目的な恋と友情 [ 辻村 深月 ]物理的な形が無い「愛と友情」をこんなにも綺麗に切り刻むとは。自分は決して関わることがないと胸を撫で下ろす様な人物しか出てこない。そんな人たちの振る舞いに辟易しながらも引き込まれ読む手が止まらない、流石辻村さんだ。大学のオーケストラ部に揃って入部した蘭花と留利絵の二人。蘭花による客員指導者との恋の章と、蘭花への友情に固執する留利絵の章、夫々の一人称で同じ時間や場所と人物を描いている。何一つ制御可能な恋愛なんて無いけど、盲目的な恋愛が進行中の人には良い酔い止め薬になるかも。苦味が後引く印象深い作品。良かった。