漢方一口メモ　～　夏ばてに清暑益気湯

　　　 　 　従来から、夏バテ防止によく使用されているのが清暑益気湯という漢方薬です。清暑益気湯は、暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢、全身倦怠、夏やせにもちいられます。清暑益気湯には、疲労回復、水毒改善、体を冷やす、抗炎症などの効果をもつ生薬成分が含まれております。 　臨床治験でも、暑熱下での従事者の作業で清暑益気湯が有効であったという報告もあります（横田廣夫ら、漢方医学Vol.32 No.3 2008（35）247）。清暑益気湯は、初夏から内服しはじめて、夏ばての予防に用いるのがいいでしょう。また、炎天下のお仕事やスポーツをされる場合には、前日から内服し始めておくと、疲労の回復も早くなり、熱中症の予防にもなるようです。予防的にも頓服的にも用いることのできる便利な漢方薬であると思います。 　 　夏に用いる漢方薬としては、補中益気湯、五苓散、五積散など、証や目的に応じて様々です。特に夏になると調子が悪くなるといった症状のある方は、ぜひ、漢方医にご相談ください。