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  みどりの日記 ~gardener's hum~

第2回 4月7日





『信濃路のほりだしもの』


毎年春になると参加させていただいている恒例の野外アートイベントがあります。

長野県小布施町にある玄照寺というお寺で開催されている「境内アート」という
イベントです。
これは四月の第三週目の土日に開催されているもので、全国各地からさまざまな
ジャンルのアーティストたちが独創的な表現にチャレンジしています。


「お寺の境内でこんな展示をやってもいいの?」と、初めて見た時の衝撃は大変
なものでした。その規模の大きさと奇抜な展示方法に圧倒されたものでした。

しかし、このイベントの醍醐味はそれだけではありません。境内アートで賑わう
スペースの裏手にはさらに人でごった返す「どんぐり千年の森」というクラフト
販売のスペースが広がっています。

私は、お買いもの大好き。きっと良いものがありそう、とワクワクしながら、
心の琴線に触れるものを求めて森の中をふらふらと彷徨いました。


 木工、陶磁器、布、染色、あみぐるみ、ガラス、とんぼ玉…。
それぞれにテントなどを張ったお店が奥の奥まで続いていました。

たくさんの染め布を取り扱っているお店は、風に商品がたなびいて、ついつい
惹かれて入ってしまいます。
また、あみぐるみのお店では自然の中で動物たちがピクニックをしているような
陳列でした。この店づくりで結構売れているのですね。
粋に着物を着こなし、髪を軽く束ねた若い女性が販売していました。


笑っちゃうのは、売る気のまったくないお店も多かったということです。

私は森の中ほどに木の枝に掛けてある渋柿で染めた素敵なカバンを見つけ、
しばらく眺めていました。
ところが周囲には売り子の姿は見えませんでした。さらに、その隣の店には
カウンターとおぼしき段ボール箱のそばにウイスキーや焼酎の空き瓶が
転がっています。


商品には値札も付いていない。「こりゃ、売る気ゼロだね」と笑ってしまい
ました。

しかし、よく見ると並べられているガラス作品は、ものすごく精巧にできていて、
美しい色彩が表現されているのですから驚きです。
何といってもこのゆるい感じがいいです。時たま風が吹くと、背後の竹林が
サワサワと音を立てていました。


私はあちこち歩き回った結果、本を開いた形をした陶器のペーパーウエイトを
見つけ購入しました。

その本の部分に刻んであった英文が気に入ったのです。訳してみると『答えは
風の中にしかないさ』という何ともキザなセリフでした。私はこのセリフに
イチコロになってしまいました。

この空間には素晴らしい“掘り出し物”と言えるものが山のようにありました。
奇妙奇天烈な発明品を売っている博士のような人がいたり、「これは売らないよ」
なんていう頑固な木彫り作家もいたりして、かなり人間ウォッチングも楽しみました。
作者にしかわからない“こだわり”ってあるのですね。


面白いものや人にたくさん出会えた一日でした。


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