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  みどりの日記                  ~gardener's hum~

  みどりの日記 ~gardener's hum~

第15回 7月7日



『夏のカラーリーフ』


これからの季節、梅雨があければカーッと暑い夏がやってきます。
その頃になると街を歩いていても商業施設などで鮮やかな色合いの植栽が目に
留まることがあります。

建物の白い壁や強い日差しに映え、色使いも南国をイメージさせる赤・オレンジ・
黄色など、原色をうまく取り入れたカラフルな花壇です。それは大胆な色の組み
合わせであればあるほど惹きつけられます。私は出掛けた先でそんな植栽に出会
うと、歩きながら視線はいつまでもその植栽を追ってしまいます。
「おっと!」。よそ見をしているものですから目の前の縁石に気付かず転びそうに
なってしまいました。


 園芸教室にいらっしゃる生徒さんの中から「素敵だなとは思うけれど、なかなか
個性的な色合いのお花には手が伸びなくて…」という声をよく聞きます。
そう、こう暑いと花壇の植え替えをしようと園芸店に苗を買いに行っても、ついつい
涼しげな薄い色合いの苗を買ってしまいます。花壇に植えてみたら、何だかぼんやり
した感じになってしまった…なんて事はありませんか?そんな時は、カラーリーフで
アクセントを付けてみるといいですよ。


カラーリーフって何ですか?読んでその名の通り。通常見られる植物の葉とは違う
色合いの葉っぱを持つ植物のことです。葉の色は明るくカラフルで、長時間美しい
状態を保っていてくれます。なので、日陰でも明るさを演出できるということから
人気があります。


銀色のアサギリソウや、銅色、黄土色、茶色などのヒューケラ。燃えるような赤色の
コタキナバル。その他にワインレッドや黒、黄色の…など色も種類も豊富です。


舌を噛みそうな植物の名前を耳で聞いても色合いやその姿を想像するのは難しい
かもしれません。でも、実際にこれらインパクトのある葉色を見れば、きっと引き
込まれることでしょう。

花壇の中に濃い色のリーフを差し込むだけでも全体がぐっとしまり、お洒落な感じ
になります。最近ではお店でも様々な苗を入手でき、個性的な配色にチャレンジ
しやすくなりました。


カラーリーフは花壇の名脇役であると思います。それは、存在するだけで「いい味を
出している」渋~い“いぶし銀”の俳優さん、といったところでしょうか?
例えるならば、サスペンスドラマのクライマックスシーンで犯人に静かに語りかける
刑事役のような…。


花壇も舞台と同じで、主役級の華やかな女優や男優ばかり並べても意外と印象に
残らないのかもしれません。脇役として様々な葉っぱの組み合わせを少し加える
だけで、普段とまったく違った印象を演出する事が出来るでしょう。

この大人の色使いをマスターすれば、あなたはもう植栽の上級者です。


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