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  みどりの日記 ~gardener's hum~

第23回 9月1日



『食人技』



みなさんは、“ショクニンワザ”という言葉を聞くと、どんな人物の姿を想像しますか?


作業着姿で頭にハチマキを巻いた頑固そうな庭師のイメージでしょうか。
それとも工芸作品を制作する工房で手際の良い動き見せる無口な男性の姿でしょうか。

 私のお知り合いのSさんは柔和な女性です。別に彼女は工芸品を制作する仕事をしている
わけではありませんし、ごくごく普通の主婦です。ところが身近な食材を上手く利用し、
アレンジしている彼女の生活は、とても豊かに感じます。




私が初めてご自宅のアトリエにご招待いただいたとき、そのライフスタイルからパッと
頭の中に思い浮かんだ言葉が、まさに“ショクニンワザ”でした。ショクの部分が食べ物
の“食”になっている造語です。

ある日、女性数名でSさんに料理を教わることになりました。その日のメイン料理は
数種類のスパイスを利かせた本格インドカレーとのことでしたので、みんな楽しみに
していました。





アトリエの扉を開けると、野菜やお肉がグツグツと煮込まれているいい匂いがしてきました。


挨拶もそこそこに、みんなで匂いを発している鍋の中を覗き込みました。
「スパイスは何種類ですか?」「7種類にお塩です。分量を間違えないよう入れて
くださいね。」

 慌てて支度を整えて調理の準備にかかります。計量スプーンで量った香辛料を順番に
鍋へと投入していきます。どんどん、色やとろみもカレーらしくなってきました。



なんだかんだ言いながら、全員が「主婦」というのは便利なもので、使ったまな板や
ボールもあっというまに洗ってしまいました。みんなで協力して、素敵なランチコースが
できあがりました。


 カレーのほかにヤーコンのきんぴら、りんご、ヤーコン、レタスのサラダ、セロリの
コンソメスープ、青くび大根の浅漬けなどなど。食べきれないほどの食事が並びました。



「まずはカレーから」。一口すくって食べてみると、複雑な味が口いっぱいに広がりました。

そして後から数種類のスパイスの香りが鼻にスーッと抜けていきます。
辛いだけかと思いきや、たまねぎのみじん切りが6個分も入っていますので、甘いコクを
感じます。 さらに、ニンニク、生姜のみじん切りもたっぷり入っているので食べている
うちに体がポッポと熱くなってきました。




油をほとんど使っていないというので、冷めても凝固しないところがヘルシーです。 
おたまを持ち上げたときに感じるとろみは、はじめに鶏肉にまぶした小麦粉のとろみと
たまねぎのとろみだけです。

少し時間はかかりますが、料理方法はいたってシンプル。
大切な人をおもてなしするときにでも、ゆっくり作ってみたいものです。

あ、少し刺激的なお味なので、大人の会の時にお勧めします。









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