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今日も歩いて健康になろう

今日も歩いて健康になろう

私の初めてのケーキ作り

ドイツに行く前に、不安に思っていたことが2つありました。
そのひとつはパブリックなパーティーに出席しなければならなかった事。

着て行く服は何にするのか、
どんな人たちが出席しているのか、
実は,そんなことはどうでも良い。
まず心配なのが、
6ヶ月になったばかりの長女かれんを誰に預けるのか?
これが、問題だったのであります。
日本に住んでいたら、0歳の赤ん坊を他人に預けるという事は、
めったにないことだと思います。
少なくとも私の場合は、考えた事もありませんでした。

幸い、前任者の伝手で、日本人のベビーシッタを一人紹介をしてもらったのですが
見も知らぬ人に、自分の子どもを預けた事はなく、
初対面の人を家に上がってもらうことも、人に預ける事にも慣れていませんでした。
来てもらうまで、とてつもなく不安だった。

しかし、心配は取り越し苦労でした。
娘は、お利口にしていたようだし、
来てくれた、ドイツ在住の日本人の方はとても子どもの扱いに慣れた方でした。
ひとまず、これは一度体験したことで,ほっと胸をなでおろしました。

次に不安だったのが、
「手作りのデザートを作れなければならない。」
という事へのプレッシャーです。
前にも書いたと思いますが、自宅でのお茶会が頻繁に行われ、
いずれ、自分の家でも人を招き行わなければかったのです。
苦手な宿題をかかえたままの、
そう!今あなたの家にもまさにいるような、
夏休みの終わりを心配する小学生のような気持ちで、毎日を過ごしていました。

そんなある日、在住歴の長い夫の上司の奥様が、
自宅でケーキ作りを教えてくださると、声をかけてくださいました。
教えてもらったのは、ドイツで代表的なあのお菓子、「バウムクーヘン」。
木の年輪のような形の・・・

まさか、あのお菓子が自宅で作られるものとは!
夢のようでした。
作り方は,思ったよりも簡単で、材料をひとつのボールで混ぜ、
あとはケーキの型にクレープのように薄く重ねて焼いていくだけ。
味も見た目も、立派なバウムクーヘン完成!

この奥様には、ケーキ作りのほかに、
人形作りをはじめとする手芸などの、手作りの楽しさを教えてもらいました。

年齢も50代半ばくらいだったと思います。
お子さん達も独立し、夫婦二人で在外生活を長く過ごしているうちに、
趣味はプロ並で、実に多彩だったのが衝撃的でした。
こんな、生き方もあるのだということを知りました。
おかげで、もうひとつのお菓子作りという不安も取り越し苦労に終わりました。

ケーキを教えてもらったその夜は、主人の同僚の人達とスカッシュをしに行きました。
何だか毎日が、楽しくて、笑いが止まらなかった。
仕事を失って落ち込んでいた事などすっかり、忘れていましたよ。

やったことのないことって,すごく不安になるものだけど,
実際は取り越し苦労だったっていう場合が多いものですね。
食べず嫌いっていうのがあるけど,やらず嫌いっていうものもあるね。
あまり何も考えずにやっちゃうっていうのはいいことかも。
思いがけない出逢いがあったり,発見があったり,
不安だったからこそ,面白かったなんてこともあったなあ。
未知との遭遇。
この頃,保守的になっていたけど,どしどしやっちゃおうかなあ・・・


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