ハンドバッグをなくしてしまった
今日は、ショッピングモールへ買い物。Targetで買い物をして、その後、日本の食器の売っているお店でセールをしていたので、うつわを購入。土曜日だったので、モールは家族連れで混みあっていました。このショッピングモールは、中にメリーゴーランド、観覧車にジェットコースターまでもがある、子供づれには最高の所。なんだか人の多さに圧倒されて、なんとなくベンチに腰掛けた私。しばらく行きかう人を眺めた後、もう帰ろうと立ち上がり、エスカレーターで地下の駐車上へ。3階まできたときに、あっ、バッグが肩にかかってない!と気づく。両手に持っているのは、買い物したプラスチックの袋だけ。慌てて、上に行くエスカレーターに乗り換え、人ごみをかき分けて、走り登り、あの赤いベンチへ。「どうかまだ、そこにありますように---------」----------------------------------------願いとは、裏腹に私の黒いかばんはなく、空っぽのベンチ。近くの人に聞いても、見かけなかったけどのコメント。しばらく探した後、モールのセキュリテイーオフィスへ報告に。「もしかしたら、誰かがこのLost&Foundに届けてくれたかもしれない」というかすかな希望をもって、ガラスのドアを開けた。「かばんを置き忘れてしまったのですが、届けられていませんか?」「いつのことですか?」「たった5分か10分前に4階のベンチに置き忘れてしまったのですが」「ごめんなさい。でも何も届けられてないわ。かばんには、何が入っていたの? 財布も入っていたの?」「はい。」「それなら、このモールであなたのクレディットカードを使えないように早速テキストメッセージを送るから、名前を書いて。クレデイット会社には、電話をしたの? すぐにキャンセルしなさい。」もうほとんど半べその私。そして電話でカード会社に紛失のレポート。カード会社によると、まだ、誰にも使われてないとのこと。書類に記入しながら、「もしかしたら、これを書いてる間に誰かが、かばんを持ってきてくれるかもしれない----------」などと本当にかすかな期待をしていたが、やはり誰も現れなかった。「ポリスにも連絡したほうがいいわ」とセキュリティーの女性。「わかりました。ありがとうございました。」と言って、オフィスを出る私。外のいすに座って呆然。何がかばんに入っていたか、記憶をたどる。財布には、現金は10ドル位しか残ってなかったはず。あとは、銀行のカードに、クレデイットカード、運転免許証、学生証、保険証。携帯電話も入っていた。免許証はなくても運転できるのかしら?もう一度、探しにいってみようと、涙がでそうになるのをこらえながら、ベンチや近くのトイレのゴミ箱などを探す。やっぱりない。ここニューヨークで、もしかしてかばんがでてくるかも?なんて思ってるほうが間違っているのだと気づく。なんて馬鹿な私なのだろう。なんであの時、買い物袋しかもたなかったのだろう。帰る前にもう一度、セキュリティーオフィスにいってみることに。もしかしたら、私がここで探してる間に誰かが届けてくれたかもしれない。「かばんは、届いてませんよね?」「残念ながら、ないわ。ごめんなさいね」とさっきの女性。私は、オフィスの外に出て、たちすくんでしまった。そこへ、"Are you Mieko? Is this you? (あなたは、Miekoですか?これは、あなた?)"と私の写真付き身分証明書をみせながら、ブラックの中年女性とその二人の娘が声をかけてきた。"Yes, I am (はい、そうです)""Great! I was lookng for you. Didn't you leave your bag on the bench? (ああ、よかったわ。あなたのこと探していたのよ。あなた、かばんをベンチにわすれたでしょう?)""Yes. Yes, I did. (はい)""Here it is. I didn't know where the Lost&Found was..... So I was looking for you, showing your ID with my daughters. Now I think I lost my husband. I don't know where he is! (かばんは、ここよ。どこにL&Fがあるかわからないから、娘とあなたのIDを見せながら探してたのよ。今度は、私の夫がどこにいるかわからないわ。)"かばんを手渡された途端、抑えていた涙がとめどなくあふれ、私は、人目もはばからず子供のようにないてしまった。「泣かないで。」とHugしてくれるブラックの女性。「本当に有難う。あなたの優しさを忘れません。」と涙でぐちゃぐちゃになりながらお礼を言った。「Stop crying.大丈夫よ。あなたの気持ちよく分かるわ。私もなくしたことがあるから。」私は、何かお礼をしたかったので、さっき買った日本の食器をプレゼントする事にした。また、セキュリティーオフィスに戻り、かばんが見つかった事を報告し、帰途に着く。車の中でも、なんだか自分の愚かさに涙がでてきてしまった。アメリカだったら、かばんを忘れたら、誰かにあげてしまったのと同じという私のステレオタイプに反省。確かに、日本よりは、手元に戻ってくる確立は、ものすごく低いかもしれない。でも、あのブラックの家族のような人たちもいるのだ。家に戻ったら、どっと疲れがでて、とっても悪ーい酒が飲みたくなった。紙パックとかプラスチックボトルなんかに入っている悪酔いしそうなやつ。でも新しいカード発行まで、一週間かかるから、買いにいけないではないか!本当に今日は、なんて馬鹿なことをしたのだろうとややトラウマ気味のわたしでした。