カテゴリ:山口素堂資料室
元禄 5年 壬申 1692 51才
素堂…… 七月七日、素堂の母、喜寿の宴。 (『韻塞』入集。李由編。序奥は元禄九年冬、刊行は元禄十年) 七 月 素堂の母、七十あまり七としの秋、七月七日にことぶ きする。万葉七種をもて題とす。これにつらなる者七 人、此結縁にふれて、各また七叟のよはひにならはむ。 萩 七株の萩の手本や星の秋 芭蕉 尾花 織女に老の花ある尾花かな 嵐蘭 葛花 布に煮て余りをさかふ葛の花 沾徳 なでしこ 動きなき岩撫子や星の床 曾良 女郎花 けふ星の賀にあふ花や女郎花 杉風 ふぢばかま 蘭の香にはなひ侍らん星の妻 其角 むかし此日家隆卿、七そじなゝのと詠じ給ふは、み ずからを祝ふなるべし。今我母のよはのあひにあふ 事をことぶきて、猶九そじあまり九つの重陽をも、 かさねまほしく、おもふ事しかなり。 あさがほ めでたさや星の一夜もあさがほも 素堂 李由…… 寛文二年(1662)生、~宝永二年(1705)歿。年四十四才。 本名河野通賢。近江国平田村の真宗光明遍照寺第十四世住職。蕉門。 許六の盟友として、この書等を共著。 海棠や初瀬の千部の真盛り 〈『篇突』〉 《註》… この喜寿の宴には、菊本直次郎氏所蔵芭蕉真蹟の一幅(阿部正美氏著『芭蕉 伝記考説、行実編』紹介)や、今栄蔵氏の『芭蕉年譜大成』にも記載があるが 一部異なる箇所がある。 今回は『日本俳書大系』所収『韻塞』と芭蕉真蹟一幅による。 《註》… 素堂の母は元禄八年夏に突然死去する。素堂の家系で、母の没年については 元禄三年説があるが、母の死は元禄八年であり、素堂の妻の死は元禄七年の事 である。素堂は妻を娶らずとの説もあるが、一考を要する。又素堂の家系と甲 斐府中山口屋市右衛門の家系を直接結ぶ資料は見えない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年04月18日 14時39分17秒
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