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テーマ:愛犬のいる生活(77238)
カテゴリ:健康&しつけ・勉強中系
まず初めに書いておきたいことは
愛犬が万一エキノコックスに感染しても治療の方法があるという事と 人への感染も予防策を講じることができる感染症である、という事です。 感染に対する不安から犬達が不幸な結果を迎えるような事がありませんように。 ~エキノコックスとは~ エキノコックスは寄生虫の一種で 日本では北海道内の感染症として認識されてきたが 今回埼玉県での犬の感染が認められた。 埼玉の犬がエキノコックス 虫卵検出 これまでの本州の感染例でも、いずれも北海道との関連性が示唆されており 今回の埼玉県での感染報告例も埼玉県がエキノコックスの流行地域ではないため 北海道で感染した状態で本州に移動した可能性がある。 エキノコックスは、エキノコックスをもったネズミ等を キツネや犬(犬科の肉食動物)が捕食したことにより感染し 糞便中に混入した虫卵や体に付着した虫卵から伝播し、人間へも虫卵により経口的に感染する。 キタキツネやイヌ(終宿主)の糞に混じったエキノコックスの虫卵が 何らかの形によって人間に経口的に感染すると 肝臓などに寄生し数年の経過によって致死的な障害をもたらす場合がある。 感染経路などを知ると共に感染の予防に勤める必要のある 重要な人畜共通の感染症である。 ~終宿主から中間宿主、中間宿主から終宿主への感染~ 糞便 - 虫卵 ネズミ (中間宿主) - 幼虫 犬 (終宿主) - 成虫 (寄生虫であるエキノコックスが成虫となる動物を終宿主、その前段階の幼虫になる動物を中間宿主と呼ぶ) エキノコックスの発育段階は虫卵・幼虫・成虫の三段階に分けられる。 エキノコックスは、エキノコックスの虫卵を摂取した中間宿主(主にネズミ)の体内で幼虫となり その幼虫を持っているネズミをキツネや犬が捕食したことにより 終宿主であるキツネや犬の小腸で幼虫から成虫となる。 その成虫が排卵した虫卵を摂取した中間宿主を捕食することによって、さらに別のキツネや犬が感染する。 上記のように、エキノコックスの感染は終宿主から中間宿主へ、中間宿主から終宿主への感染である。 人間はエキノコックスに対し中間宿主である。 中間宿主(幼虫)から中間宿主(幼虫)への感染はないため 幼虫に感染しているネズミ等を人間が食べた場合にもエキノコックスには感染しない。 そのためエキノコックスに感染している人間が別の人間と密接に接触しても 人間から人間への感染はないということになる。 感染している犬がいても、犬から犬へ「直接」感染させ合うこともない。 糞便によっての伝播ではあるが、虫卵から幼虫へと育つ中間宿主を捕食したのでなければ 終宿主である犬同士での感染はない。 犬に食糞の習慣があり、万が一感染している犬やキツネの糞便を食べたとしても 虫卵から犬への直接の感染はないので食糞そのものが感染原因とはならないという事になる。 このような感染経路から、犬への感染を防ぐためには 犬と中間宿主とを接触させない(捕食させない)ことが必要となる。 そのために重要となるのは犬を放し飼いやノーリードにはしないということである。 犬から人間への感染も放し飼いをしない事によって 虫卵の付着や感染の機会が減るため人間への感染の機会も減るのである。 生態系として感染環が成り立っていても、感染経路を絶つことができれば遷延を防ぐことができる。 平成16年に厚生労働科学研究で把握された北海道内の飼い犬におけるエキノコックス感染例でも 感染が確認された3頭と感染の疑いがあった2頭、 いずれも夜間などに放し飼いをしていた事実がある。 (一部の犬はネズミを捕食していたことが目撃されている。) 飼い犬を感染させないことは、別の犬やその飼い主にも感染させないことにも繋がる。 感染地域である北海道ではキタキツネによる伝播が大きな問題であるが 人間との密接な生活にある犬にも感染予防は重大なことと言える。 エキノコックスの今回のニュースを聞いた時私が一番心配したことは 犬から飼い主への感染の不安から間違った感染予防の方法として 『犬達が処分されることがないだろうか?』ということだった。 過去にエキノコックスが知られた時に、人間への感染を恐れた人達によって 犬が大量に処分されたという事実がある。 北海道ではよく知られた病気となったけれど、本州以南には感染がなかったため 今回の埼玉県での報告により過去の悲劇が繰り返されないだろうかと心配だったのである。 愛犬が万が一感染したとしてもプラジクアンテルという薬剤によって寄生虫の駆除ができる。 感染したからと言って犬を殺処分する必要はなく 他への感染予防や犬に対する治療が行なわれるべきである。 今回の場合(現段階)埼玉県での犬の感染確認がされたが 犬への感染原因となる中間宿主の確認がされたわけでも 複数の犬の感染が確認されたわけでもない。 という事は、該当地域(埼玉県)で潜在的な流行があったとは考えにくい。 (エキノコックスは「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」によって 人間への感染があった場合診察をした医師は報告の義務が生じるがその報告も今のところはない。) エキノコックスは海外でも寒冷地域に感染が広がっていることが多く 寒さには比較的強いが熱には弱い寄生虫である。 自然の水や山菜、屋外で栽培されている野菜などを口にする時は 充分に加熱処理をすることによって感染の予防ができる。 犬がエキノコックスに感染しているネズミ等を捕食した可能性のある場合 抗原検査や虫卵検査を行なうことによって感染の有無を調べることができる。 現段階では、定期的な検査による感染状態のチェックが必要なのは 継続的な感染が確認されている地域のみであると考えられるが 言うまでもなく、犬の健康管理と飼育環境の良し悪しが人間の公衆衛生に果たす役割は大きい。 人間が万一感染した場合は早期治療が重要となる。 感染に気づかず放置した場合、薬物治療では根治が難しく、 感染から数年を経過しなければ自覚症状がない場合が多い。 早期に発見する事によってより確実で安全に根治を目指すことができる。 自覚症状が出る感染から数年後には手術そのものが致死的な危険を伴う場合がある。 このように予防と共に早期発見に心がけることが必要である。 ※早期発見であればアルベンダゾール(駆虫剤)が有効な場合が多いようです。 (感染の可能性が高い地域では啓蒙活動と共に定期的な検査が行なわれているようです。エキノコックスの流行地域ではキツネには触らないという事が常識になっているとの事。) 今回のニュースで埼玉県に住んでいる犬の飼い主さんの中には不安に感じている方もいらっしゃると思います。 以下は私の個人的な意見ですが エキノコックスの流行地域でも通常はキツネとネズミの間での感染が主であり 環境的に寒冷地での流行が主です。 犬にエキノコックスの中間宿主を捕食させるような環境での飼育をしていなければ まず問題ないのではないかと思います。 心配な方は診察や獣医師への相談をすすめますが 終宿主も中間宿主もいなければ人間への感染も考えられません。 この先エキノコックスに感染しているネズミや犬等が報告されるような事があれば 今後の対応は違ってくるかと思います。 そういう意味で今後の動向には注意が必要です。 それと・・・ 北海道のHPやその他のエキノコックスに関わるサイトでも書かれてある通り 飼い犬への感染予防は放し飼いをしないことがもっとも確実な方法です。 ノーリードの犬は感染の機会が確実に増えるのでやめましょう。 ・・・他人にすすめるのもね。 私は人間の看護師ではありますが寄生虫の専門家やそういう方面のプロではありません。 記述には誤りがないよう気を付けて書いたつもりですが もし間違いがあれば教えていただければ嬉しいです。 よろしくお願い致します。 こっそり教えて下さる方はこちら。 (もしいらっしゃればトラックバックも歓迎いたします。) 参照サイト・記事追加しました。 環境動物フォーラム 北海道大学大学院獣医学研究科寄生虫学教室ホームページ 小動物臨床家のためのエキノコックス症対応マニュアル2003 北海道内の飼い犬におけるエキノコックス感染例及び 北海道から移動する犬の感染実態調査結果と感染予防対策について (情報提供及び啓発依頼) 寄生虫:野良犬1頭から、エキノコックス エキノコックス症の知識と予防 (北海道保健福祉部疾病対策課) トップページへ戻る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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