愛すべきものすべてに

先日某パーティに参加し、憧れの女優原史奈ちゃんに会った！
なんせ直接会える事など滅多にあるもんじゃあないので、今回のパーティの話が出る
ずっとずっと前から、会ったら何を言おう、何を聞こうなどとあれこれと
ワクワクしながら考えていたものだ。

ところが、である。いざ本人と対面してみるとそれら全てがはるか彼方に
ブッ飛んでしまい、結局何一つ聞く事ができなかった。
どうにかこうにか口から出たのは挨拶程度の２、３の言葉だけであった・・・・。

「なんだコリャ！？これじゃあ、あの時と全くおんなじじゃん！！」

そう、それは今から１０数年前の出来事だ。
渋谷や原宿近辺でよく遊んでいたオレたちは、街中で芸能人の姿を見かける事も
多かった。
しかしそうそう都合よく自分達のお目当ての人物と出会うワケもなく、その事で
特別オレたちが興奮するという事もなかった。

そして出会いは突然にやって来た。
その日オレと親友Ｔは二人でいつものように原宿で飲んでいた。当時よく行っていた、ごくごく普通の居酒屋である。
そこに女優のつみきみほちゃんとスタッフと思しき人達数人が談笑しながら入って
きたのだ。

（アレ？つみきみほちゃんを知らない？
えーっと、昔やってた緒方拳が父親役の「愛はどうだ」ってドラマは知ってる？
あれで福山雅治の恋人役だったコなんだけど。
あと映画「花のあすか組」や「櫻の園」にも出てたんだよ。）

他の客連中は全く気がついていない様子だったが、オレたちは気がつきまくり、
気になりまくりである。
どうやら番組か何かの打ち上げらしき彼女達の宴の様子をチラチラ見たりしていた。

するとしばらくして、みほちゃんが席を立ってオレたちの前を通過した。
トイレに行こうとしたのである。しかし先客がいたらしく、彼女は入ることが
出来なかった。
すると近くで空くのを待とうとした彼女はなんと、オレたちのテーブルの
すぐ隣に腰掛けたのだ！その距離わずか数十センチ。
もうホントに手を伸ばせば肩をたたけるって距離である。
しかもその一角にはオレらしかいない！スタッフも近くにいない！話しかけねば！
ファンであれば決して逃すはずのない絶好のチャンスである。
さてそこでオレらはどうしたか？

意外な事に全く何も出来なかったのである。
ただの一言も発する事もできず、握手すらしてもらわなかった。
あまりにも突然に訪れた幸運に、二人とも完全に固まってしまっていたのだ。

今でもＴと飲みに行ったりするとこの時の話が出たりする。
そして「あの頃はとんだヘタレだったなぁ。今のオレらなら自然に話しかけ
られるよね。」などと言って笑っていたものである。
だってあれからもう十数年だ。オレらだってまぁそれなりにいろいろな経験をし、
相手が芸能人だからといってビビッたりする事なんて実際もうないだろうと
思っていた。

しかしそれはとんだ思い上がりだった。結局は同じ事をまた繰り返しちまった。
それはそれはホントに見事なくらいに。

なんだよな～。でも言い訳するならば、あの日はまだカゼが抜け切ってなくて
ボーッとしてたしなぁ。（実は今もだが。）
それに加えてパーティがフリードリンクだったのも災いしたよな。
調子コイて対面するまでに、ビールやらカクテルやらを５，６杯はいってたし。
もうボケ山ナス太郎いっちょアガリ！だったな、状況的にも。

そういえば前の時も酒がらみだ。まぁあの時は場所が居酒屋だっただけに
仕方がないにしても、今回はなぁ。
数日前からかなり楽しみにしていた対面なだけに、イメージとはかけ離れた
不完全な形で終わってしまい本当にガッカリである。
次の機会がもしもあるならば、アルコールはなるべく（？）控えて少なくとも
コンディションだけは万全の体制で臨みたいと思ってはいるが、さてさて
どうなる事やら。

それにしても実物の史奈ちゃん、ヤバイくらいに美しかったなぁ・・・・。



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