今晩は新日本フィルの定期演奏会。いつもと違って半分ステージ化されたオペラの公演だった。演目はベートーベンの唯一のオペラ、「レオノーレ」。主役級の歌手は素晴らしく、オペラのすばらしさを満喫できたが、サポート側の歌手が少し役不足で重唱などのレベルが引き下げられてしまったのが、もったいなかった。
私もアメリカのオーケストラで企画や制作にあたっていたときは、オペラのキャスティングも担当していたのが、本当に1つの役を決めるのに何十人というプロの歌手のオーディションやテープなどを聴いて、最大限のこだわりをもちながら仕事をしていた。
こだわりをもつのは、公演が成功をおさめたときの興奮を忘れられないから。何もないところから多くの人が関わり、1つ1つの決断を積み重ねることによって舞台を作り上げていくわけだが、その舞台が最終的に高い完成度をもち、また多くの人に感動を与えることが出来たと実感できる時というのは、本当に何事にも代え難い瞬間である。これは今振り返ってみると、ある種の麻薬中毒みたいなものなのかもしれないなと思ったりした。制作の仕事をしていたときには、自分が他の仕事をすることなんて考えられなかった。それくらい、仕事と趣味の境目がはっきりしない数年だった。
舞台を見ると、今でもその頃のことを思い出して、とてもなつかしくなる。あれからずいぶん色々なことをやってみているが、やはり私のキャリアの原点は舞台作りだったんだなと思う。舞台作りを通して、チームワーク、自分の限界に挑むこと、なにがなんでも完成させること、緊急事態への対応、問題解決の仕方など、本当に色々なことを学んだ。
今準備中の起業ということについても、舞台作りと同じように考えていったらいいのかもしれないなと、ふと思った。
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mihomiho628
芸術団体やNPOによるファンドレイジング、日本や米国の寄付文化について、クラシック音楽の楽しみ方について、そして日常のことなど、色々なことにふれていきたいと思っています。
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